出版社内容情報
古典から近現代の小説、映画、漫画、海外文学に至るまで、男同士の絆の表象の系譜を幅広く考察する。
内容説明
日本において“男の絆”は、中世の稚児物語、近世の浮世草子や歌舞伎、近現代の幸田露伴や福永武彦などの小説、そして現代の演劇、映画、漫画に至るまで、連綿と描き続けられてきたモチーフである。さまざまな日本の文化事象に加えて、ひろく海外文化からの影響をも視野に入れて、男同士の絆の表象の系譜をたどり、その背後にある社会的規範のメカニズム、ジェンダーの機能を鮮やかに読み解く。
目次
第1章 稚児物語と“男の絆”―桜と無常の美
第2章 トーマス・マンと“男性同盟”―『ヴェニスに死す』と稚児物語の共鳴
第3章 『禁色』の女性嫌悪と“男の絆”―マン/稚児物語/三島
第4章 江戸の男色の美学―武士道と歌舞伎の色恋
第5章 漱石の「士族」意識と“男の絆”―『坊っちゃん』のホモ・ソーシャル
第6章 “近代武士道”と戦時体制―幸田露伴『ひげ男』と軍国少年
第7章 「同性愛」の時代の男色実践―南方熊楠「浄の男道」論にみる近代の男色のゆくえ
第8章 悩める昭和期の男子生徒―『草の花』『仮面の告白』にみる男子校の恋
第9章 女性のための美少年幻想―少女漫画の少年愛と“男の絆”
著者等紹介
佐伯順子[サエキジュンコ]
学習院大学文学部史学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科比較文学比較文化専攻博士課程修了。学術博士(1992年)。現在、同志社大学大学院社会学研究科教授。専門は比較文化・メディア学・女性文化史。主な著書に『「色」と「愛」の比較文化史』(岩波書店、1998年、サントリー学芸賞、山崎賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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