出版社内容情報
1965年9月30日。インドネシア陸軍の反乱・政変・鎮圧劇の衝撃は、大統領をスカルノからスハルトへと変えただけではない。中国では文化大革命が起き、東南アジアにアセアンが成立し西側反共主義陣営の結束を固めた。国内全土に大虐殺の嵐が吹き荒れ、華僑迫害がエスカレートしていく。事件の真相を追究し、波紋の全体像を活写する。
内容説明
一九六五年一〇月一日未明に、ジャカルタで軍事政変が勃発、半年後の一枚のスカルノ大統領が発したとされる命令書により、権限はスハルトへと移った。中国では文化大革命が起き、東南アジアにアセアンが成立し西側反共主義陣営の結束を固め、日本は大規模な経済進出の足掛かりをつかんだ。政変を主謀したとされたインドネシア共産党は非合法化され、党員は逮捕され殺され政治犯にされた。国内全土に大虐殺の嵐が吹き荒れ、インドネシア経済を担っていた華僑への迫害がエスカレートしていく。膨大な一次史料と先行研究を踏まえ、いまだ謎に包まれた事件の真相を追究し、インタビューと現地取材を通して、事件の波紋の全体像を活写する。
目次
第1部 左傾化するスカルノ政権(新植民地主義との闘い;対立を内包したスカルノ体制;台頭するインドネシア共産党(PKI))
第2部 二つのクーデター―九・三〇事件と三・一一政変(九月三〇日の事件;「三・一一政変」―もう一つのクーデター)
第3部 社会暴力(大虐殺;大虐殺の背後に見えるもの;スケープゴートにされた華僑・華人たち)
第4部 新たな秩序による再編(新秩序の確立と国際関係の再編;マレーシア闘争の終了と西カリマンタン農村社会の再編―「デモンストラシ・ダヤク」;不穏分子の排除と政治的安定)
著者等紹介
倉沢愛子[クラサワアイコ]
1946年生。東京大学大学院修了、コーネル大学大学院ならびに東京大学にて博士号(ともにインドネシア史)。名古屋大学教授を経て慶應義塾大学教授、その後名誉教授。インドネシア社会史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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