内容説明
「神の我に歌をよめとぞのたまひし病ひに死なじ歌に死ぬとも」。近代俳句の祖として知られる正岡子規は、後にアララギ派へと発展した根岸短歌会を主催し、短歌革新運動にも激しい情熱を注いだ。その短い生涯に、新しい時代の歌および二四〇〇首を残し、近代短歌史に大きな足跡を刻んだ「歌よみ人」としての子規の業績を明らかにする画期的な評伝。
目次
序章 竹の里人素描
第1章 『七草集』の憂悶―「よからぬ噂」の真相
第2章 『はて知らずの記』の中の歌―鮎貝槐園訪問
第3章 「歌よみに与ふる書」一件―実朝再評価の目論見
第4章 橘曙覧発見―「手段を写実に取りし歌」
第5章 「小石川まで」を読む―「歌修行」の散策
第6章 「はがきノ歌」とは何か―「マドンナノ耶蘇」
第7章 愚庵和尚の存在―「趣味上に悟れぬ坊様」
第8章 鉄幹子規不可並称の説―「子規是ならば鉄幹非なり」
第9章 根岸短歌会の人々―「結城のたかし吾は忘れず」
第10章 『竹乃里歌』の讃―「病ひに死なじ歌に死ぬとも」
著者等紹介
復本一郎[フクモトイチロウ]
1943年愛媛県宇和島市生まれ。1972年早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。1979年静岡大学人文学部助教授のち教授(1989年まで)。1989年神奈川大学経営学部教授(2009年まで)。現在、神奈川大学名誉教授。俳号、鬼ヶ城。専門は近世・近代俳論史。公益財団法人神奈川文学振興会評議員。「産経新聞」“テーマ川柳”選者。神奈川新聞「俳壇」選者。神奈川大学全国高校生俳句大賞選考委員。実験的俳句集団「鬼」代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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