岩波現代全書
「シベリアに独立を!」―諸民族の祖国(パトリ)をとりもどす

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  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000291033
  • NDC分類 229.1
  • Cコード C0322

内容説明

暗黒と抑圧に塗り込められたシベリアから、美しく誇り高いシベリアへ。19世紀半ば、ポターニンやヤドリンツェフら、シベリア生まれの一群の青年知識人たちは、祖国はロシアではないこと、シベリアが国内植民地化されていることに気づき、シベリアの富を自らの手にとりもどそうと、解放運動を起こした。その結果、流刑囚となり数奇な運命をたどる。同時期のシベリア流刑者としてドストエフスキーは、流刑者たちの群像を『死の家の記録』として作品化した。祖国シベリアを愛する若き愛国者たちが、シベリア独立の民族誌に描いた新たなシベリア像とはいかなるものだったのか?今日にまで持ち越された人類共通の難問、民族と言語の関係を考える。

目次

第1章 シベリア独立事件
第2章 ポターニン
第3章 ポターニンの仲間たち
第4章 逮捕と獄中生活
第5章 探検と孤独
第6章 ポターニンの思想的遺産

著者等紹介

田中克彦[タナカカツヒコ]
1934年兵庫県生まれ。東京外国語大学モンゴル語学科、一橋大学大学院社会学研究科、ボン大学哲学部でモンゴル学、言語学を学ぶ。現在、一橋大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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yoneyama

12
ロシアに300年収奪され続けたシベリアを、アメリカのように独立させて、自由な連邦を作りたい、という帝政にとっての危険思想家の、1835年生まれ、もとコサック士官のポターニンの生涯を追う。ロマノフ体制からもボリシェビキからもおたずね者、シベリア生まれの青年たちの活動は、グラスノスチまでソ連でも知られなかった。著者は1934年生まれのモンゴル専門家。「ノモンハン戦争」を読んだ。ポターニンが著者の研究人生にいつしか現れ、心惹かれる人物になっていく過程も面白く読んだ。2013年刊。2025/02/07

穀雨

2
著者の作品には、その折々に自身の体験談や余談、自慢話が挿入されていて、本題がなかなか前に進まないという特徴がある。しかし、自分の研究活動に対する確かな自信からくるその人間味あふれる文章が、本全体を魅力あるものにしている気がする。その文体には好き嫌いが分かれるだろうが、私は彼のような書き方をする研究者は今の時代貴重な存在だと思うし、これほど多くのことを披瀝できるということはそれだけ研究者としてさまざまな体験をされてきたということであるから、今後も著者のさらなるご活躍を願っている。2013/07/25

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