出版社内容情報
楽観的で曖昧な人工知能論を越えて、未来の人間科学として「心の哲学」を切り拓こうとした名高い書。
内容説明
コンピュータと脳は同じか―楽観的で曖昧な人工知能論を越えて、未来の人間科学として「心の哲学」を切り拓こうとした名高い書。講演をもとにした本書は、サイエンスと社会科学の最先端の核心的議論を極めて平明に解説するとともに、哲学者サールの基本的な見解をクリアーに示したものである。
目次
1 心身問題
2 コンピュータは考えられるか
3 認知科学
4 行為の構造
5 社会科学の展望
6 意思の自由
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
2
著者の人工知能批判は、コンピュータプログラムが統語論的構造のみで定義される一方、心は意味論的内容を持つ、という前提から始まり、統語論は意味論を生む十分条件か? つまり脳は心の原因なのか?という問いを導出する。統語論と意味論の区別では、「空が赤い」のは「空」や「赤」の語から派生する多数の語のネットワークの中で組み合わされた文ではなく、広がりととしての「空」が感じとしての「赤」という性質を持つ点にあるからだという。一方、コネクショニズムや行動主義は、彼の批判を糧にしつつ人工知能を脳モデルで捉えようとしている。2017/04/04
林克也
1
なるほどな、そうだよな、と思いながら楽しく読むことはできたが、こんな風に考えて日々暮らしていたら心も脳も容量オーバーでパンクしてしまうと思った。結局、心とは何か、ということは私には解らなかった。2016/05/07
kazy0324
1
"さてここで, 言語学について考えてみましょう. 現代言語学の標準的な目的は, さまざまな自然言語における音声と意味とを結びつける音韻論的, 統語論的, 意味論的なさまざまな法則を述べることです. したがって, 理想的な形で完成した科学としての言語学は, それぞれの自然言語に対して, そのような規則の完全な集合を指定することになるでしょう. このようなことが言語学にとって妥当な目的であるかということについて, 私は確信が持てませんし, また, この目的がそもそも到達可能であるかということもわかりません. 2015/11/07
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- 洋書
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