出版社内容情報
敗戦という大転換を経て、何が変わり、何が変わらなかったのか。戦後七〇年の「原点」を見つめる。
目次
1 生と死のはざまで(大田昌秀―原点としての沖縄戦;大田洋子―原爆と言葉;水木しげる―ある帰還兵士の経験;黄容柱と朴鐘鴻―近代の成就と超克)
2 それぞれの敗戦と占領(茨木のり子―女性にとっての敗戦と占領;黒澤明―アメリカとの出会いそこない;花森安治―その時、何を着ていたか?;堀越二郎―軍事技術から戦後のイノベーションへ)
3 改革と民主主義(中野重治―反復する過去;若月俊一―地域医療に賭けられたもの;西崎キク―大空から大地へ;北村サヨ―踊る宗教が拓く共生の風景)
著者等紹介
栗原彬[クリハラアキラ]
1936年生。立教大学名誉教授。政治社会学
吉見俊哉[ヨシミシュンヤ]
1957年生。東京大学教授。社会学・文化研究・メディア研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんがく
11
とても面白い試みのシリーズ。思想史でも文化史でもなく精神史。普通の歴史書では出てこない、デザイナー、映画監督、宗教家、漫画家、技術者など、一章につき一人を扱っていく構成。敗戦と占領という経験が、広島、沖縄、南方、朝鮮などそれぞれ多様な形で現れていることがわかる。戦後史理解を深めるために、是非とも読破したいシリーズ。2020/12/03
Ted
3
'15年7月刊。△水木しげる、黒澤明、堀越二郎、中野重治などの著名人が敗戦から戦後にかけてどう生きたか、その精神史を各々別の著者が書いた短い評伝集。当然ながら書き手によって読みやすさや面白さに斑があり雑然とした印象。岩波に載るのをいかにも意識したような硬い文体、理屈っぽい内容で読みにくいものもあった。堀越二郎に興味があって読んでみたが、元沖縄県知事の太田昌秀の評伝が一番面白かった。2016/02/07
keroppi
3
その時代に生きた個人に焦点を当て、精神の歴史を描写しようとするシリーズ第一巻。漫画家、映画監督、文学者、飛行機設計士、女教祖、等、様々な人々が経験した戦争と戦後。そこには時代の流れに流されながらも、自分の生きる道を追い求めるひとびとがいる。2016/01/25
numainu
1
評価B2016/03/01