内容説明
第二次世界大戦後、イギリスは東南アジアにおける日本の戦争犯罪をいかなる視点で裁いたのか。本書はイギリス所蔵の膨大な資料を分析し、日本の兵士たちが裁かれたBC級戦犯裁判の経過とその歴史的特質を、イギリス・日本・東南アジアの戦中・戦後の文脈のなかで解明する。従来の戦犯裁判論の水準を前進させた記念碑的労作。
目次
序章 戦犯裁判はどのように議論されてきたのか
第1章 戦犯裁判の準備
第2章 戦犯裁判の実施
第3章 イギリスの対日戦犯裁判の特徴
第4章 イギリスの戦後アジア政策と戦犯裁判
第5章 裁かれた戦争犯罪・裁かれなかった戦争犯罪
終章 戦犯裁判とその後
著者等紹介
林博史[ハヤシヒロフミ]
1955年生まれ。一橋大学大学院博士課程修了(社会学博士)。関東学院大学経済学部教授。現代史。主な著書に『沖縄戦と民衆』(大月書店、2001年、伊波普猷賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nagoyan
1
優。イギリスによる対日戦犯裁判の実相を示す良書である。少ないスタッフで精力的に戦犯の追求を行ったイギリス当局。現地民衆の英帝国に対する信頼をつなぎとめるためにも、また、高い職業意識からも、本国政府の戦犯追及打ち切り方針に陰に陽に抵抗しながらも戦争犯罪の追求を行ったのは、日本で信じられているように報復感情を動機とするものではなかった。たしかに、命令者よりも実行者が厳罰を受けた感は本書からも受けざるを得ないが、それにしても日清、日露と曲りなりも国際法を尊重し、「文明国」となった国の仕業とは。。。。