出版社内容情報
中国の防衛費増大と海洋進出、急拡大した経済力、国境を越える環境汚染、社会不安や歴史認識問題……。さまざまに語られる「中国の脅威」の実像と意味を多角的に読み解く。執筆者は、編者のほか、益尾知佐子・阿南友亮・岩谷將・杉浦康之・山口信治・松田康博・平岩俊司・飯田将史・富坂聰・阿古智子・梶谷懐。
内容説明
中国の「脅威」をどのように認識し、それに対応すればよいのか。問題を解きほぐし、新たな関係模索の糸口を探る。
目次
1 中国から見る安全保障(東アジアの安全保障環境;党の安全保障と人間の安全保障)
2 中国の軍事・安全保障政策(「革命の軍隊」の近代化;核ミサイル問題と中朝関係;中国の海洋進出)
3 多元化する中国とどう向き合うか(統治の弛緩/強化;高まる社会的緊張―環境問題をめぐる「政治」;経済リスクのゆくえ;メディア・歴史認識・国民感情)
著者等紹介
川島真[カワシマシン]
1968年生。東京大学大学院総合文化研究科准教授。中国近現代史・アジア政治外交史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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coolflat
15
中国は現在日本とは尖閣諸島、東南アジア諸国とは南沙諸島と領土問題を抱えている。中国の海洋進出の意図は様々あるが、まず論点として中国が過去どう行動をしたのか考える必要がある。62年はインドと国境紛争、69年はソ連と国境紛争、79年は中越戦争があった。冷戦以前は陸上における領土・主権問題への対処が安全保障上の中心課題となっていた。冷戦終結後、中国は陸上国境問題を次々解決する。インドとの国境問題を除けば、中国はほぼ全ての陸上国境を画定させ、陸上における領土・主権問題の多くが解決された。残るは「海洋」という訳だ。2015/09/14
Haruka Fukuhara
5
中国って面倒でやっかいな国だと嫌というほど思わされる。中国的に「平和」とは周囲に自国に対抗しうる国が1つもない状態を言うので、中国が潰れるか日本が中国に屈するまで日本へのいちゃもんはなくならないだろうとのこと。冷戦下のソ連が日本に置き換わったみたいな状態らしい。2017/03/15
Kazuo
4
日本から中国を見た場合は、経済問題/領土問題/価値問題等の「問題の束」に見える。逆に中国から日本を見れは、西側の大国でありながら中国の周辺国であるという立場が、中国の対外政策において特殊な位置にあり、これが日本問題と認識される。日中問題を考えることは、結局、日米問題、沖縄問題や欧州、ロシア、中東、インド等全世界について包括的に考えなければならないということ。どのような世界秩序を当面の目標とするかということについて、明確な設定ができなければ、どのようなアクションが選択肢になるかということも決定できない。2015/10/31
Mitoshi Ohtsuka
1
再読しました。安全保障について俯瞰出来る本です。2016/02/23
takao
0
ふむ2025/04/12