内容説明
本巻の特徴は、安全保障をめぐる憲法的・法的世界の発掘と可視化にある。世間一般に抱かれている憲法(学)に対するイメージとは異なり、あえてより「現実」を踏まえた議論に軸足を移すことで見えてくる論点の提示に重点を絞って、安全保障問題への立憲主義的思考の浸透とそこでの問題発掘に主眼を置いた。
目次
安全保障の立憲的ダイナミズム
1 日本の安全保障と憲法(九条の政府解釈のゆくえ;主権・自衛権・安全保障―「危機」の概念としての憲法制定権力;九条論を開く―“平和主義と立憲主義の交錯”をめぐる一考察)
2 軍の持続的な統制は可能か(軍隊と憲法;文民統制論のアクチュアリティ;裁判所と九条;インテリジェンスと監視)
3 立憲主義は新しい安全保障論にどう対応するか(立憲・平和主義の構想;リスクの憲法論―自由に対峙する環境と災害;安全保障の市民的視点―ミリタリー、市民、日本国憲法)
著者等紹介
水島朝穂[ミズシマアサホ]
1953年生。早稲田大学法学学術院教授。憲法学、法政策論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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