内容説明
一人の女性のきわめて波瀾に満ちた人生体験、恋愛模様を述べた日記文学の白眉『とはずがたり』。後深草院の寵愛をうけ、奔放に過ごした宮廷生活、出家回国の旅、そして院の死に接し裸足でひつぎの後を追う激情。本文の精緻な読解から、一途に生きた半生を書き綴り、自らの生の意味を問いつづけた作者の姿を明らかにする。
目次
第1講 後深草院と雪の曙(『とはずがたり』の概略;作者の周辺;院の寵幸と気がかりな人(巻一)
院の誓約(巻一)
心の外の新枕(巻一)
出雛の思い(巻一))
第2講 後宮生活(粥杖事件(巻二)
女楽事件(巻二)
曙の奔走(巻一、二)
有明の月(巻二、三)
法師に近づくべからず(巻三)
宮仕えを退く(巻三))
第3講 出家後の旅(父の臨終(巻一‐四)
修行の旅(巻四、五)
院との再会(巻四)
東二条院、後深草院の崩御(巻五)
跋文(巻五))
著者等紹介
三角洋一[ミスミヨウイチ]
1948年生まれ。大正大学特命教授。東京大学名誉教授。中古・中世文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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