内容説明
「人権」や「主権」といった憲法に登場する概念は、そもそも何のためにあるのか。デジタル化によるメディアの変容、高度情報化社会の中で、放送の自由やプライバシー権をどう理解すればよいのか。明快な論理で従来の議論を読み替え、再定義を試みる。憲法学の新たな可能性を切り拓いてきた著者のエッセンス。
目次
第1章 リベラル・デモクラシーの基底にあるもの
第2章 個人の自律と平等
第3章 信教の自由と政教分離
第4章 「二重の基準論」と司法権の役割
第5章 主権概念を超えて?
第6章 プライヴァシーについて
第7章 行政情報の公開と知る権利
第8章 多チャンネル化と放送の自由
第9章 メディア・モデルの探究と溶解
著者等紹介
長谷部恭男[ハセベヤスオ]
1956年広島県生まれ。1979年東京大学法学部卒業。現在、東京大学法学部教授。専門は憲法学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヤギ郎
6
長谷部先生の論文集。人権とデモクラシーが中心。放送やメディアについての考察もある。長谷部憲法学でよく見かける調整問題についても論じている。2017/07/24
nagoyan
2
優。2018/12/10
unpyou
1
木村草太さんがラジオですすめていて読んだのだが、はからずも放送業界、なかんずくCATV業界の人にとって参考になる本になっていた。ちなみに9条の話は全く出てこない。 前半は立憲主義の様々な重要概念(政教分離など)を巡る論考で、広く通用する憲法解釈の視座を確認できる。後半はプライバシー権からメディアの自由を巡る論考。最終章は米国CATVのマストキャリー規制等とメディアの自由を扱ったもので、前提とされてる判例などもあり一読しただけでは分かりにくかったが、他章は論旨明快。章間コラムはハイブローながらかなり笑えるw2014/01/18