出版社内容情報
「悪霊がいる」と噂がたつほど寂れきった大観園。勢いを失った賈家にとどめを刺すかのように、一族の過去の不正が次々に摘発される。失意のうちにおばあさまが亡くなり、王煕鳳も病死。混乱の中で、宝玉は再び太虚幻境を訪れ、少女たちの来歴と結末を悟る──。深い寂寥感と微かな希望とともに、一幕の夢幻劇はついに幕を下ろす。
内容説明
「悪霊がいる」と噂がたつほど寂れきった大観園。勢いを失った賈家にとどめを刺すかのように、一族の過去の不正が次々に摘発される。失意のうちにおばあさまが亡くなり、王煕鳳も病死。混乱の中で、宝玉は再び太虚幻境を訪れ、少女たちの来歴と結末を悟る―。深い寂寥感と微かな希望と―不朽の名作、ついに完結!
著者等紹介
井波陵一[イナミリョウイチ]
1953年生。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。京都大学人文科学研究所教授。専攻は中国文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tonex
4
中国の国民文学の代表であり中国文化の結晶といっても過言でないほどの大作なのに、日本では不思議なくらい人気がなく知名度も低い。そもそもこの新訳自体、ほとんど話題にならず、ほめる人もいない代わりに、ドストエフスキーの新訳のようにけなす人もいないというさびしい状態。紅楼夢は確かにとっつきにくいし、読む人を選ぶところはあるが、読めばハマる人は大勢いると思う。ライトノベルのように美少女のイラストを付けて文庫サイズか新書サイズで出せば、もっと売れて、ファンも増えるに違いない。2014/12/26
しんすけ
1
最終巻である。いよいよ賈家の没落が始まる。賈赦や賈珍の不正がばれ差し押さえの危機が迫り。賈政も不器用なためか濡れ衣を着せられてしまう。祖母の史大君は、賈家に明るさを取り戻そうとするが、心労が重なり死を招いてしまう。八十歳を過ぎていたが、周りがこんなでは小往生というものでしかない。葬式の準備は王煕鳳に任されるが、気力をなくしているためことは巧く運ばない。そんな中、盗賊が押し入り、ついには王煕鳳も死んでしまう。話はその後も続いていくが、幕を閉じるために急いでいるような感がしないでもない。2015/12/05
Э0!P!
0
・熙鳳幽霊を見る、大了の勧め、籤 ・尤氏の病気、毛半仙の占い、雉に怯えて退魔 ・賈政降格、賈赦追放 ・迎春死去、おばあさま死去、鴛鴦自殺、2022/06/15