内容説明
海棠の狂い咲きをきっかけに、通霊宝玉が失せ、貴妃元春が亡くなり、賈家の没落は現実となり始める。不安に駆られたおばあさまが宝玉の結婚相手として選んだのは、なんと黛玉ではなく宝釵だった。挙式の最中、思い出のハンカチを焼き捨てながら、ついに黛玉は―。
著者等紹介
井波陵一[イナミリョウイチ]
1953年生。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。京都大学人文科学研究所教授。専攻は中国文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tonex
2
この巻から作者が変わったため完成度が低くなったらしいが、そもそも一人の作者が書いていても、未回収の伏線とか設定の矛盾とか誤謬とかストーリーの破綻とかはよくあること。言われなければ作者が変わったことにも気づかないだろう。2014/12/25
しんすけ
1
紅楼夢の80回は、次回を期待させる書き方で終わっている。ところが曹雪芹によっては、その次回は書かれることは無かった。と伝えられている。したがって81回以降は、高鶚によって書き足されることになった。70回辺りから、賈家の没落を暗示させる出来事が続いていたが、この巻からそれが現実化していく。それが曹雪芹の構想にあったものかは確かめようもないが、読者を飽かせない出来事が綴られていく。薛蟠の嫁となった夏金桂の我侭に多くが振り回される。薛蟠が殺人事件を起こす。賈宝玉の嫁として内々で薛宝釵との話が上がる。2015/11/27
Э0!P!
0
・司棋と従兄弟死ぬ ・季節外れの海棠 ・玉が無くなる、劉鉄嘴 2022/06/11