出版社内容情報
奇想の画家を再発見、正当に位置づける総論に続き、これまでの岩佐又兵衛研究を振り返り、浮世絵の創始者としての画家像を浮かび上がらせる。また奇想派の先駆としての狩野山雪を再評価し、妙心寺天球院障壁画の様式を詳細に検討、山楽・山雪父子の個性を明らかにする。美術史を書き換えた衝撃の奇想の画家研究。
内容説明
浮世絵の創始者・岩佐又兵衛と、奇想派の先駆・狩野山雪の個性を明らかにする、衝撃の奇想の画家研究。
目次
第1章 綺矯の画家―流派ならざる流派
第2章 岩佐又兵衛―浮世絵をつくった男の謎
第3章 桃山の巨木の痙攣―狩野山雪
第4章 山雪の奇想―問答風に
第5章 妙心寺天球院障壁画と狩野山楽・山雪
著者等紹介
辻惟雄[ツジノブオ]
1932年生。東京大学大学院博士課程退学(美術史)。東京国立文化財研究所美術部技官、東北大学文学部教授、東京大学文学部教授、国立国際日本文化センター教授、千葉市美術館館長、『国華』主幹、多摩美術大学学長を経て、現在、MIHO MUSEUM館長。東京大学・多摩美術大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さっちも
13
自分の中の盛り上がりを感じられず、なんとか読了。今度美術館に行った際に何らかの引っかかりや気づきが増えるでしょう。なんだかんだ全集を短期間で読み終えそうなところまできた。素人でも面白がれる辻先生の表現力に感謝。2020/10/18
Haruki
1
岩佐又兵衛について書かれた図書『浮世絵をつくった男の謎 岩佐又兵衛』の全文と山雪についての論考をまとめている。2019年冬には東京都美術館で「奇想の系譜展」があったことは記憶に新しいが、そこでも又兵衛の「山中常盤物語絵巻」「浄瑠璃物語絵巻」の人の過密さが際立っており、その絵の引力の強さはこの本でも辻さんの熱量こもる筆致で感じることができる。洛中洛外図屏風(舟木本)についての下りは、思わず笑ってしまうほど。山雪については、断片的な論考ではあるが、彼の特徴をつかむには大いに役立つ。2019/04/13