出版社内容情報
原発問題をはじめ科学技術にかかわる社会問題の多くは,科学技術の問題である以上に,それに関わる人間の内面や社会のしくみの問題にほかならない.身近な具体例を素材に,科学・技術・社会の境界面で発生する多様な出来事を一貫した視点で捉え,科学技術が社会問題になる地
内容説明
原発をはじめ科学技術にかかわる社会問題は、科学技術の問題である以上に、人間の内面や社会のしくみに深く関係している。身近な具体例を素材に、科学・技術・社会の境界面で発生する「構造災」を科学社会学の視点から一貫して捉える先駆的な力作。専門知が社会問題に転化する地平を浮き彫りにし、問題解決の糸口を探る。
目次
1章 天災と人災のあいだの失敗―事故はなぜなくならないか(科学技術は善か悪か;一九世紀の爆発事故―「知の失敗」とは何だろうか;二〇世紀の墜落事故―「知の失敗」を産出し続けるシステム;リスク論批判)
2章 科学技術政策のジレンマ(知の隙間をどうみるか;科学技術政策をつくっている言説;議論は巡る―科学技術決定論と社会決定論の循環;科学技術複合体と問題の全体像)
3章 科学技術複合体への期待と成果の落差の社会的意味(新エネルギー技術開発の登場―OPECとOTEC;日本のOTEC開発過程;不確実性と意思決定―エネルギー問題と地球環境問題の光と影;進べきか、留まるべきか―OTEC再登場の文脈)
4章 ためにする知をこえて―「知の失敗」の克服のために(学際研究の通念につきまとう幻想;閉じたエリート路線―あるSTS;閉じた大衆路線―もうひとつのSTS:専門家と非専門家の合作の条件)
5章 自己言及・自己組織型の提言(テクノクラシーから距離をとる;テクノ・マスデモクラシーから距離をとる;足下からの制度再設計への提言;じわり型問題への提言―原子力とGM作物)
著者等紹介
松本三和夫[マツモトミワオ]
1953年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。社会学博士(東京大学)。東京大学教授、オックスフォード大学セントアントニーズカレッジ上席客員研究員、エジンバラ大学ゲノム政策研究所招聘研究員などを経る。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授。専門は、科学社会学、災害社会学、技術の社会史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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