出版社内容情報
通信手段が破壊され,自治体が行政機能を失った被災地に入り,被災者の実情を発信し,被災者に必要な情報を送り届けようとしたボランティア・企業・研究者たち.その過程で,被災の事実を克明に記録し,被災前と直後の記憶を残し,復興に向けた未来を伝えていくことの意義を見出していく.コミュニティ再生のため求められる情報支援とは.
内容説明
人類は今回の東日本大震災にような不確実な「低頻度大規模災害リスク」と、この先どうつきあっていけばいいのだろうか。被災地の行政機能が喪失し、通信手段が遮断されているなかで、まず求められたのは、被災地外の支援者が被災地を支援するために役立つ情報を提供すること、被災地から被災地外に情報発信する手段を提供することだった。また被災自治体の瓦礫処理や罹災証明発行、ボランティアセンター運営、要援護者の生活支援のためのシステムを整備した。次に被災地の過去・現在・未来を映像で記録し後世に伝承するための災害デジタルアーカイブの使命が待っていた。「311まるごとアーカイブス」は、災害記録をまるこどアーカイブすることを目的として発足した。発起人である著者がつづった、行政・企業・ボランティア・被災者との協働による情報支援・アーカイブ活動の実践の記録。
目次
第1章 災害アーカイブの現状と課題
第2章 災害発生直後の対応
第3章 「ALL311」を開設―協働情報プラットフォーム
第4章 「311まるごとアーカイブス」
第5章 記録ボランティアによる被災地の撮影
第6章 被災者による未来に向けた記録
著者等紹介
長坂俊成[ナガサカトシナリ]
1962年東京生まれ。中央大学法学部政治学科卒業、筑波大学大学院経営政策科学研究科修了、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科助教授(リスクコミュニケーション特別研究)他を経て、独立行政法人防災科学技術研究所社会防災システム研究領域主任研究員。一般社団法人日本リスク研究学会会長。イノベーション25社会還元加速プロジェクト(総合科学技術会議)に位置付けられている災害リスク情報プラットフォーム研究プロジェクトディレター、科学技術戦略推進費・官民協働危機管理クラウドシステム研究プロジェクト研究代表を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
ぐうぐう