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岩波人文書セレクション
魔女とヨーロッパ

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  • サイズ B6判/ページ数 317,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000285070
  • NDC分類 230.5
  • Cコード C0322

出版社内容情報

西欧近代の誕生期に魔女狩りという狂気が噴出した.科学的・合理的という近代のイメージと背中合わせに魔女が創出されたのだった.人を食らい,空を飛び,サバトに耽る魔女ははたして実在したのだろうか.民話や文学に描かれた魔女を多角的な手法によって分析した,近代人の心の暗部に潜む形象を描くもう一つの精神史.

内容説明

西欧近代の誕生期に魔女狩りという狂気が噴出した。科学的・合理的という近代のイメージと背中合わせに魔女が創出されたのだった。人を食らい、空を飛び、サバトに耽る魔女ははたして実在したのだろうか。民話や文学に描かれた魔女を多角的な手法によって分析した、近代人の心の暗部に潜む形象を描くもう一つの精神史。

目次

第1章 魔女と鬼女
第2章 産婆と「女性の科学」
第3章 人食い魔女
第4章 空を飛ぶ魔女
第5章 夜の女神
第6章 悪女エヴァと娼婦ヴィーナス
第7章 サバトと豊饒儀礼
第8章 ヴァルプルギスの夜の宴―ゲーテの『ファウスト』を読みなおす
第9章 善悪の基準を超えて―ミシュレの『魔女』を読む

著者等紹介

高橋義人[タカハシヨシト]
1945年生まれ。慶応義塾大学大学院博士課程修了。京都大学教授・立命館大学客員教授を経て、平安女学院大学特任教授。専攻はドイツ文学・思想、ヨーロッパ精神史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ckagami

1
うーん、バハオーフェンに折口信夫と、古い文献からの引用が多い~。日本古代史や民俗学は、もっと変化しているのに~。と思いつつ、確かに「魔女」という「男性/父権制原理につくられた」概念の基本的な事象はまとめられている。まあ、初版は古い本だし、しょうがないか……2015/09/15

鳩羽

1
近代科学の誕生と時を同じくして最盛期を迎えた魔女狩り。それは神への愛の裏返しともいえる、悪の強い肯定、悪の存在論化から生まれた虚構だった。合理的な近代の「都市の思考」に対して、自然と調和する思想を「野生の思考」とし、その対立の歴史を魔女というキーワードから読み解いていく。……読み物として、普通におもしろい。日本の山姥などと比較することで、キリスト教の特徴が際立つ。目新しいという感じはしない(普及版での再刊だし)けれど、聖女と娼婦の二面性とか異教の神を追いやったとか、基本的な情報がまとめられている。2011/12/12

mob

0
この本のいう魔女的要素は民俗的にありふれたものばかりだ。秩序側から見れば、魔女とは倫理観が乱れた群衆への見せしめにも見える。 これは大衆の側から見れば、倫理を押し付ける権力は昔から魔女狩りのような野蛮な行為を繰り返してきた危険な存在ということになる。 現代でも倫理を押し付ける活動家は理屈が通じないタイプが多いが、魔女狩りの頃からあまり進歩していないのかもしれない。 (現代の表現規制派のフェミニズム活動家が魔女狩り側と酷似した精神構造になったのは皮肉としてもあまりに……)2020/12/01

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