出版社内容情報
比較社会学の視座から現代社会を考察してきた著者が,愛とエゴイズムの源である主体性や「かけがえのない個」という感覚の起原を求めて生命史における「個体」発生とその主体化まで遡る.遺伝子理論,動物行動学,動物社会学の成果を積極的に取り入れつつ動物個体の行動の秘密を探り,「自我」成立の前提を解明する.
内容説明
「種の起原」のさらに先を目指して―。『定本見田宗介著作集』を完成させた著者が「社会学者」としての役割から離れて全力を傾注した、真木悠介の名を刻印されたテクスト。多様な学問分野を縦横に飛翔し、幅広い領域に影響を与え続けている作品群を精選・改訂、各巻に「定本解題」を収録する決定版著作集。
目次
1 動物の「利己/利他」行動
2 “利己的な遺伝子”理論
3 生成子の旅―“個の起原”の問い
4 共生系としての個体―個体性の起原
5 “創造主に反逆する者”―主体性の起原
6 “かけがえのない個”という感覚―自己意識の起原
7 誘惑の磁場―エクスタシー論
テレオノミーの開放系―個の自己裂開的な構造
補論1 “自我の比較社会学”ノート
補論2 性現象と宗教現象―自我の地平線
竃の中の火―『自我の起原』補註