出版社内容情報
人間をめぐり,文化をめぐり,書物をめぐり,無限の自由を携えてはばたく珠玉の文章たち.それらの軌跡が織りなす綾に著者のまなざしが浮かび上がる.1963年の商業誌デビュー作から現在に至るまで,新聞や雑誌に掲載された数々のエッセイのうち好評を得たものを精選し,テーマ別に編集.極上の読書体験を提供する.
目次
人間について
人間の関係について
文化について
現代記
本について
私の地平線の上に
思想について
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小鈴
5
1970~2000年代の短編集。野口晴哉について書かれた晴風万里、 原罪と原恩文化の意識などが書かれたシツォイド文化とチクロイド文化、鶴見俊輔について書かれた〈他者の自由〉に敏感な思想、〈透明〉と〈豊饒〉について、など興味深く読む。また、寺山修司の名前が度々でてきたり、下宿していた大家が国木田独歩の二男(小林多喜二のデスマスクを作った)だったり。定本解題では、人間が行動を選ぶ、生き方の方向を選ぶ基準は、どのようなものであろうか、という問いの見田の回答が興味深いのでメモ。→2013/06/08
小鈴
2
野口晴哉の「晴風万里」を再読。野口晴哉について、潜在意識の交通の達人、野口の方法が現在の科学の境界を超えてゆくので非合理的、神秘的、宗教的な世界であるかごときの錯覚を与える、〈間身体の現象学〉というべきものが野口晴哉の方法である、という文章に激しく納得。2013/07/10
小鈴
1
これを読んで野口晴哉にはまる。2013/07/10