出版社内容情報
日本の性別役割分業が途上国女性の出稼ぎを引き寄せ、WTOの知的財産権保護協定が途上国の、とりわけ女性のエイズ患者を苦しめている。グローバルなジェンダー公正を実現するにはどうすればいいのか。この難問に、経済学、社会学、政治学、国際法学が挑む。フェミニスト国際経済理論の第一人者、ダイアン・エルソン氏の寄稿を得た。
内容説明
日本の性別分業意識が途上国から女性の人身取引を引き寄せ、世界貿易機関の協定が途上国の女性のエイズ被害を深刻化させる。ジェンダー格差に根差す複合的な不公正は、地球の持続性にとって最大の脅威である。より公正なグローバル・コミュニティの構築に向けて、経済学、政治学、文化人類学、社会学、国際関係論、国際法学が扉を開く。
目次
序論 グローバル社会政策の構想
1 ジェンダー分析の学的インパクト―グローバル化を読み解く(主流派貿易理論、異端派貿易理論を超えるフェミニスト貿易理論;グローバリゼーションとジェンダーの政治経済学―金融領域・生産領域・最生産領域の接合;交差的抑圧とジェンダー・ジャスティス/ポリティクス―HIV/AIDSの政治経済学から見えてきたこと)
2 課題と可能性―地球的問題群へのとりくみ(人口・環境・開発のジェンダー課題―「開発とジェンダー」研究の視点から;人身取引問題と国際協力―日本の政府開発援助(ODA)政策の課題
フードガバナンスの比較ジェンダー分析
国際法とジェンダー―国家、権力、平和への視座)
著者等紹介
大沢真理[オオサワマリ]
1953年生まれ。東京大学社会科学研究所教授。経済学、社会政策(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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