出版社内容情報
性の乱れ? 楽しいセックス? 男女間にはどんなギャップがある? 恋人とのセックスより金銭関係が介在した方が安全? いつの時代にもヴェールに包まれがちな性の実態を詳細なデータをもとに紹介し,性につきまとうリスクと若者たちをしばる思いこみを明らかにする。生きやすく,豊かな性関係に向けた可能性の手引き。
内容説明
若者たちの性とセックスをめぐって、男女間にはどんなギャップがあるのだろうか。ヴェールに包まれがちな実態性につきまとうリスク、若者たちをしばる思いこみを詳細なデータで明らかにする。
目次
はじめに―「いまどきの若者の性」とかいうけれど
1 性関係にはリスクがある
2 性の健康とジェンダーの深いつながり
3 「特定神話」と「思いこみ」係数が邪魔をする
4 性の健康と国際的なとりくみ
5 これだけは知っておこう―「思いこみ」をとりのぞく
おわりに―ふたりのコミュニケーションのために
著者等紹介
池上千寿子[イケガミチズコ]
1946年生まれ。NPO法人ぷれいす東京代表。東京大学を卒業後、出版社勤務を経て執筆活動を始める。82年からハワイ大学「性と社会太平洋研究所」でセクソロジーを学ぶ。94年にぷれいす東京を設立しエイズ予防とケアの活動に従事する。2005年エイボン女性教育賞、2009年日本エイズ学会アルトマーク賞、2011年WAS金賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
katoyann
15
STI(性感染症)、HIV、望まない妊娠に代表される性の健康被害をセックスに対する思い込みという観点から論じている。セクシュアル・ヘルスを脅かすのは、男性の無関心と性=性交=勃起=射精という思い込みである。その思い込みには、ペニスによる女性の性的支配という観念も見られる。 純潔教育が唱導され、性教育が行われないことにより、誤った知識に基づいた性交渉が広がり、結果として女性の健康被害(クラミジア感染など)が目立つことになる。セクシュアリティにはジェンダー平等の視点が不可欠であり、特に男性の反省が必要とする。2021/05/23
MasakiZACKY
2
現代の性について数々の調査や団体の活動状況から考察し、持つべき意識を提言する一冊。若者の気分シリーズ。若者に限らず、割と社会全体の性のあり様について書いてある。性に関する話題をタブーとしてきた教育現場、間違った知識を植え付けるメディア。今や文化レベルにまで染みついてしまった悪しき思いこみ。それは女性を酷く傷つけ、また男性も傷つくんだということを認識しよう。性感染症に関する知識はあってもその予防実践は?できぬ背景とは?性マイノリティをこの劣悪な環境から救うには?質の高い性の学びができる社会ができますように。2012/05/15
きいち
2
とてもまっとうに、いかに私たちの性がさまざまな思いこみによって自由さを失っているかを知らせてくれる本。最後、親に向けての「まずあなたの性を考えよう」というアドバイスがすばらしい。そう、性はあくまで当事者のものなのだから。2011/10/18
ぴーたん
1
読みやすくて分かりやすい本。オススメ。若者の気分とあるが、著者が若いころからあんまり変わってないそうな。確かに知識はあっても避妊を言い出せなかったりする。関係性においては相手に嫌われたくない、という昔からの図式もある。性の思い込みを少しずつでも取り除いていけるよう支援することが大事。性は性器の間にあるのではなく、耳の間(=脳)にある。「不特定多数=一生に二人以上の相手」にはビックリでした。性、学び出すと本当に深いです。何年も性教育を教えていても未だに発見がある。2011/09/26
弥太郎岩崎。
0
PRIMO 忘れずに。2014/03/03