内容説明
本巻では、激動の昭和時代に活躍した、林芙美子、佐多稲子、平林たい子、野上弥生子、宮本百合子、田村俊子、宇野千代、岡本かの子、網野菊、杉田久女、金子みすゞ、森茉莉、幸田文、鈴木真砂女、中城ふみ子、武田百合子、芝木好子、瀬戸内寂聴、河野多恵子、津村節子、竹西寛子、曾野綾子、富岡多惠子ら女性作家たちの生涯をたどりながら、その作品世界にせまる。
目次
第45章 佐多稲子と女友だち
第46章 平林たい子近代日本に抗う身体と精神
第47章 尾道と林芙美子の恋と巴里
第48章 三つの「愛」のかたち―宮本百合子・野上弥生子・湯浅芳子
第49章 父と娘―森鴎外と茉莉、幸田露伴と文、井上光晴と荒野
第50章 欲望の解放と女性上位の成立
第51章 私の道と芸術の道
著者等紹介
川西政明[カワニシマサアキ]
1941年大阪府生まれ。中央大学卒業。文芸評論家。足かけ40年間筆一本の評論活動を続けてきた。著書に、『わが幻の国』(講談社、平林たい子文学賞)、『武田泰淳伝』(講談社、伊藤整文学賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
18
佐多稲子。結婚すれば、あくせくと働き、毎日の生活につかれ、ニヒリスチックになる自分から解放されるかもしれない(6頁)。結婚すべきか、せざるべきか。女性には大きな人生の分岐点。他に堀辰雄、中野重治もいたのに、窪川鶴次郎に一目惚れ。男女のリアルは文学とは別次元とのこと(17頁)。そういうものなのですね? やがて、鶴次郎に女ができ、離婚を誘うのは稲子。彼はむしろ被害者?(32頁)不思議なことがあるものだ。 その後、食事も経済も一切別(34頁)にしたという。不和。2014/10/31
アンコ椿
1
湯浅芳子、宮本百合子、野上弥栄子の入り組んだ同性愛関係は性のアナーキー。これに比べれば近頃の女流作家はおとなしいというか、モノ足らんな。2012/07/27
原玉幸子
0
シリーズ最終巻感想へ(◎2015年・夏)2019/12/19