内容説明
日本学術会議の視察団に加わり、五十日間、ソ連と中国を旅した仏文学者桑原武夫が、小型カメラでとらえた民衆の素顔。スカーフを巻き、子供を抱く母親や、モスクワ大学の図書室で勉強する学生や、街角で初夏の清涼飲料水を飲む人々の姿が写し撮られている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ののまる
12
当時ほとんどの外国人が入れなかった1955年頃のソ連と中国の貴重な写真。桑原先生でも、やはり当時の空気によって社会主義(人々が幸せで美しく理想社会に近づいていく、みたいな)に目眩ましされてる感も。もちろんソ連と中国側が用意した幸せの虚像しか見せられていない。人民公社やコルホーズ長がこの組織は成功していると熱弁しているのが、痛々しい。この翌年にはソ連はフルシチョフのスターリン批判。中国は大躍進失敗をうけて、文革へ入っていくところ。2019/02/13
kwy8791
1
1955年のソ連、中国の記録。好意的な文章が多いのは、当時の文化人の間に社会主義的なものへの憧れがあったということなんだろうか?2012/04/30