内容説明
この一五〇年の中国外交は、激動の国内政治と変貌する国際社会の狭間でどのように展開したのでしょうか?「屈辱の百年」から「栄光」へと向かう近代と現代の中国外交について、各時代のキーワードを手掛かりに、大国中国の外交のありようを見通します。清朝から中華民国を経て中華人民共和国へ。中国外交のダイナミックな変容過程とともに、通底する連続性も描き出します。
目次
第1章 中国近代外交史五十年の捉え方と時期区分
第2章 「中国」と主権重視外交―一九世紀後半‐一九一五年前後
第3章 戦勝国の果実と統治能力の限界―一九一五‐一九二五
第4章 革命と国民外交―一九二六‐一九三七
第5章 四大国への道程―日中戦争から反ファシズム世界戦争へ一九三六‐一九四三
第6章 戦後構想と中華民国の遷台―一九四三‐一九四九
第7章 現代中国外交六〇年の時期区分
第8章 毛沢東時期の外交―キーワードで読み解く
第9章 改革解放期の外交―キーワードで読み解く
第10章 グローバリゼイションと「グローバル大国中国」
著者等紹介
川島真[カワシマシン]
東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻准教授。東アジア国際政治史
毛里和子[モウリカズコ]
早稲田大学政治経済学術院教授。現代中国論・東アジア国際関係論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ワッキー提督
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近代から現代にいたる中国外交を、中国の対外・国際政治観を交えつつ述べた一冊。一読しただけなので、豊富な参考文献・本書の末尾で紹介されている基本書とともに再読したい。大学図書館にて。2013/12/09
techitarooo
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およそ義和団事件から現代までの中国の外交の一貫性と変容について、中華人民共和国成立までを川島氏、それ以降を毛里氏が分析している。アヘン戦争以来の欧米諸国からの侵略に対して、国体の維持・国権の回復を外交政策の一貫としていながら、外交の基調となるのが利益やパワーに基づくリアリズムなのか、はたまたイデオロギーに基づくアイデアリズムなのかの変遷は興味深いものがあった。特に後半は現代中国外交のキーワードを説明する形式なので初学者もとっつきやすい編集になっている。




