内容説明
地域によって水が偏在する中国では、国家を挙げての水利事業が帝国を支えてきました。河川流域に住む人びとの視座に立つと、この国の環境リスクは相当深刻であり、環境破壊は野生動物の絶滅危機、住民生活・伝統文化の破壊にまで及んでいます。中国大陸を貫通する黄河・長江・瀾滄江の三つの大河の流れをたどりながら、洪水、沙漠化、断流、水質悪化、湖沼の消滅などの現実を伝え、三峡ダムなど巨大ダム建設、南水北調プロジェクトなど、環境行政の対策事業とその問題点を指摘します。
目次
第1章 激変する大河源流
第2章 黄河上流域の水質汚染
第3章 黄土高原と黄河
第4章 華北平原と北京
第5章 金沙江流域の自然保護政策
第6章 長江下流域と三峡ダム
第7章 瀾滄江上流域の民間活動
第8章 瀾滄江中下流域の増産政策
著者等紹介
上田信[ウエダマコト]
1957年生。東京大学大学院人文科学研究科東洋史学専攻修士課程修了。立教大学文学部史学科教授。中国史・アジア社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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