双書哲学塾
新自由主義の嘘

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  • サイズ B6判/ページ数 158p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000281645
  • NDC分類 331
  • Cコード C0310

内容説明

なぜ差別・抑圧はいけないの?この問いに答えられない、情けない大人たち。市場原理万能という考えは、格差社会と自己チュウしか生みません。自由競争や自己責任といった美名に隠れて、不平等を自明視する新自由主義が振りまく嘘をあばき、当たり前とされている私的所有を徹底的に疑ってみましょう。「能力の共同性」という革命的ヴィジョンへの一歩。

目次

第1日 私のもの、私的所有物、市場は当たり前?―開講の辞にかえて
第2日 私的所有の世界と市場はどうなっていて、どんなルールがあるか?
第3日 私的所有と市場は数々の問題を引き起こす
第4日 どんなことが公平であり公正である、と言えるか?
第5日 権利が不公平で不公正になる場合がある
第6日 権利はお金の流れと関連する―市民権(法)的世界と社会権(法)的世界とお金
第7日 経済の基本的な仕組みにとっても、市場の外側は重要だ
第8日 新自由主義を、その根本から批判する
第9日 能力が個人の私的所有物である理由
第10日 私的所有物としての能力は疑わしい
第11日 「能力の共同性」ということを考えよう

著者等紹介

竹内章郎[タケウチアキロウ]
1954年生まれ。専攻、社会哲学・生命倫理学・障害者論。現在、岐阜大学地域科学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヨミナガラ

8
“新自由主義のこの「強者」仕様や「弱者」排除の酷さを端的に示すのが、自由主義思想の大御所と言えるハイエクの、封建制度の肯定かと見まごうばかりの次の主旨の発言です。<血縁や生まれなどの運や先天的物質は個人や家庭の自己責任だから、血縁や家庭での不運などには個人的に対処せよ。逆に先天的資質や家庭の恵みの個人的に享受すればよい>。この点では、後にもみるように市場万能を唱えもする新自由主義は、たんなる近代の市場原理主義ではありませんし、社会保障や社会権も否定する前近代的発想でもあります。”2014/10/12

runrunt

2
「個人の能力もその個人、1人だけのものじゃなくて、みんなのものなんだよー」みたいなことを主張している本。 正直、筆者の主張には、ついて行けなかった。「新自由主義」への批判に偏り過ぎていた点が、何よりいただけない。もう少し客観的に「新自由主義」の利点と欠点を整理した上で、自らの主張を繰り広げて欲しかった。そうすれば、説得力も増すのではないかなと思う。2014/03/23

左手爆弾

2
これに類する内容の本はたくさんあるし、それらに共通のことはまず抑えられている。本書の特色は「所有」を中心に置いて説明したことである。ある能力を持っているという場合、その能力を行使する人間だけではそれは能力と言えず、それを受け取る人間、場があって初めて意味がある・・・という「能力の共同性」の議論は興味深い。フランス人権宣言が実はあまり人権を保障していなかったり、ナチスの人間の本性についての人体実験の話などは本筋とは直接関係ないが重要な内容である。ただ、全体的に具体的事例がないためわかりにくい。2011/11/23

keepfine

1
私的所有権ー市民権だけをひたすら追求するのが新自由主義。他方で社会権を実現するためにはそうした市民権を一定程度制限する必要がある。市民権と社会権の緊張関係という視覚は新しい。その他外部不経済の話などにも触れるが、途中で読むのをやめた。2016/09/24

Masakazu Kawamoto

1
新自由主義が暗黙のうちに外部を利用していること、能力の共同性を無視して、能力を完全に個人に帰属させていること、などその虚構性について論じられている。特に新自由主義がコミュニケーションをもその影響下におさめている、という部分は、記述はわずかであったが、自分自身にとってヒントになった。 ただ、新自由主義批判ありきで、なぜ時代が新自由主義を選んだのかに「ついては目が向けられていない気がする。2013/11/09

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