岩波セミナーブックス
サマセット・モームを読む

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  • サイズ B6判/ページ数 224p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000280600
  • NDC分類 930.28
  • Cコード C0097

出版社内容情報

「人生とは何か」という問いのもとに人間を鋭く描き続けたモーム。代表作『人間の絆』『月と六ペンス』『サミング・アップ』『かみそりの刃』『赤毛』『大佐の奥方』を読み解きながら、謎に満ちた作家の生涯とその人生観に迫る。

内容説明

「人生とは何か」「人生の意味は」と問いつづけ、人間を鋭く描いたモーム。数々のモーム作品の翻訳を手掛けた著者が、邦訳の流れをたどり、『人間の絆』『月と六ペンス』『サミング・アップ』『かみそりの刃』『赤毛』『大佐の奥方』を読み解きながら、書簡も自伝も残されていない、謎に満ちた作家の生涯とその人生観に迫る。

目次

序章 モームと日本
第1章 人間の絆
第2章 月と六ペンス
第3章 サミング・アップ
第4章 かみそりの刃
第5章 赤毛 大佐の奥方

著者等紹介

行方昭夫[ナメカタアキオ]
1931年、東京生まれ。東京大学教養学部イギリス科卒業。東京大学名誉教授、東洋学園大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ももたろう

35
行方昭夫氏によるモームの作品論。モーム愛に満ち溢れている。名解説に何度も唸った。モームはなぜ愛されるか?巧みな語り口、鋭い観察眼、そして「人間とは何か」「人はどう生きるべきか」という人間性を追求し続ける姿勢、これらがあるからだと言う。諸手を挙げて同意。『人間の絆』の解題も面白く読んだ。読者を楽しませることに主眼を置いたモームが、読者を念頭に置かず、自分自身の魂を過去の束縛から解放することが執筆の目的だったという。言わば漱石の『道草』的な重たいテーマなのに、最後まで面白く読めてしまうモームの手腕には脱帽。2017/02/26

葉菜枝

4
岩波市民セミナー「サマセット・モームを読む」(全4回)で行方昭夫さんが行った講義の内容をまとめた本。質疑応答など、講義の熱気が伝わってくる。作品としては「人間の絆」「月と六ペンス」「サミング・アップ」「かみそりの刃」「赤毛」「大佐の奥方」が取り上げられている。「人生の意味は何か」に対するペルシャ絨毯の哲学の話や、「人間の絆」の短縮版の存在、映画化についての著者の率直な感想など興味深かった。「月と六ペンス」のストリックランドとゴーギャンの類似と差異の比較もおもしろい。「かみそりの刃」読んでみたくなった。2014/06/04

くろたまご

3
小説を読んでも、実はなかなか理解しきれていなかったり、気づかずに面白いところをスルーしてしまったりすることは多くて、それは読みやすいモームの本でも同じ。だから専門家や読み込んでる人たちの講義や議論に触れられるのはとても面白い。モームは、人間の悪いところもしっかり書ききっていて、それが辛辣な印象を与えるんだけど、それは人が不可解なものであることを示すためで、本人はなかなか思慮深い人だったんだなと思った。昔、苦しみながらも読みきった「人間の絆」も、今なら楽しめそうだ。2019/06/23

pika

2
講義を書籍にしたものはあまり読んだことがないので著作よりも内容としては薄いのかな?との懸念があったが面白かった。質疑応答が想像以上によくて、研究者ではない視点での気付きがあり、一読者として共感しやすい質疑に答えがもらえて良かった。著者の訳した小説のあとがきに、モームが同性愛者だったことが強調されていて気になっていたので、その件について改めて提示し、さらに丁寧に解説もしていて納得できたことも良かった。モームが来日したときの印象話や、モームを日本に紹介した先輩研究者たちの話、海外の研究者による解釈や2023/11/15

ふぁきべ

2
今日本格的に読み始めたが、読み始めたその日のうちに読み終えてしまった。内容的には最近出た「モームの謎」と重複する部分が多々あり、セミナーで話した内容を文字に起こしたということもあって、読みやすい反面、物足りない部分もややあった。しかし、モームの代表作のあらすじを追いながら、その解説や多岐にわたる質問とその応えに関して読み物としても、モーム愛好者にとっても興味深かった。大佐の奥方を除けば個人的に読んだことがあるものだったし、作品の味わいを思い出しながら楽しめた。おかげでまたモームの作品を再読する気になった。2013/07/31

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