内容説明
ジェンダーに関する基本的な解説に加えて、性役割分業、労働、セクシュアリティ、ケア、社会政策などのトピックを幅広く採り上げ、「ジェンダーの社会学」の理論と実践を、第一人者が平明に解説。
目次
ジェンダーとは?
性別とは―「性」の多様性
「女」とは何か―他者としての女性
「男」とは何か―「男らしさ」の代償
専業主婦という存在
ゆらぐライフコース―少子化とジェンダー
変わる出産、変わる生殖医療
男の子育て・女の子育て
ゆらぐ日本型雇用
親密性とセクシュアリティ
ジェンダー,セクシュアリティ,暴力
性の商品化
ケアとジェンダー
セラピーとジェンダー
ジェンダーと社会政策
著者等紹介
江原由美子[エハラユミコ]
1952年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程中退。現在、首都大学東京都市教養学部教授。専攻は社会学、ジェンダー・スタディーズ
山田昌弘[ヤマダマサヒロ]
1957年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、中央大学文学部教授。専攻は家族社会学、感情社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kenitirokikuti
7
図書館にて。放送大学テキスト『改訂新版 ジェンダーの社会学──女と男の視点からみる21世紀日本社会』(2003)を2008年に増補したもの。「13 ケアとジェンダー」。ケアの狭義は高齢者介護。広義には乳児、病人、障害者など自立困難者の世話をいう。高齢者ケアにはジェンダー格差が大きい。寿命の関係で、要介護者は女性が多い。また、(在宅)介護者も女性が多い。かつて嫁いじめなど嫁/姑関係が重要な問題として議論されていたが、当時介護は重負担に至らず。しかし今、老いた父母は娘ないし長男の嫁から介護を受けるを望む2022/01/10
時田桜
3
読みやすく、ジェンダー問題を一望できる。まさに入門という感じで、ジェンダーに興味がある!と周りに言っている人は知識補給のために読んだほうがいいかも。2020/01/18
カリスマ予備校生
1
メンズリブ的な視点は始めて知った。男性性におしつけにも注目しており、中立的な視点で書かれているという印象を受けた(それもまた男性中心社会の「中立性」なのだろうか)、その点はおいておくにしても日本における具体的な問題を取り扱っており、自分が見聞きした限りでの論点は尽くされており、考えの整理に非常に役に立った。2014/11/29
遠山太郎
1
なんぼかなるほどと。家族社会学の山田昌弘さんとジェンダースタディーズの江原由美子さんの共著。事実•意見•解釈をちゃんと考えないとだけど、なんにんかでやりたい。9章ゆらぐ日本型雇用、だけが両者が書いている。またここが焦点かー。2013/04/11
takizawa
1
ジェンダー・セクシュアリティからしばらく遠ざかっていたので記憶喚起のために読んだ。実質的な男女平等を唱える第二波フェミニズム路線に沿っている。例:売買春は欲望のままに性を商品化する、という理解が一般的。これに対して、売春にネガティブなイメージを付与し違法行為とすることによって、むしろセックスワーカーの被害を助長してきたのだ、という異議申し立てがなされた(セックスワーク論)。もっとも、全てのセックスワーカーが、性を商品化することに肯定的な「強い」個人ではないことに注意が必要なのだが。2009/08/16