岩波テキストブックス
オーラル・ヒストリー入門

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  • サイズ A5判/ページ数 198p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784000280464
  • NDC分類 301
  • Cコード C3320

内容説明

オーラル・ヒストリー(聞き取りによる調査)は、意思決定過程を分析する研究手法として政治学(政治家や官僚など)や経営学(企業経営者)の分野において、1990年代以降実践され、それまでブラックボックスとなってきた政府や企業の実態を明らかにする上で大きな成果をあげてきている。しかしそれは性質上、聞き手と語り手の相互作用によって強く規定されるものであるために、その方法は聞き手の個人技とされ、普及が立ち後れてきた。このような状況を打破すべく編者らは、講義+実習+成果作成というカリキュラム構成によって、基礎技術の習得と実践を目指す「オーラル・ヒストリーの学校」を立ち上げ、学としてのオーラル・ヒストリーを確立するにいたった。本書は、経験豊富で最高水準の技量を有する講師たちによる、そのためのテキストとして、他に類をみない価値を有する講義の記録。

目次

序章 「おーらりすと」養成のために
第1章 オーラル・ヒストリーとは何か―「語り手の浸透」から「聞き手の育成」へ
第2章 インタビューの技術
第3章 記録の技法(トランスクリプション)
第4章 作品化の技術
第5章 オーラル・ヒストリー・アーカイブ―可能性と課題
第6章 政治談話とオーラル・ヒストリー記録―政治学から読むオーラル・ヒストリー
第7章 オーラル・ヒストリーの活用法―機械工業振興臨時措置法に関する研究を中心に

著者等紹介

御厨貴[ミクリヤタカシ]
1951年生れ。東京大学法学部卒業。東京大学先端科学技術センター教授。政治学・政治史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ryueno

1
本書では、オーラルヒストリーを「公人の、専門家による、万人のための口述記録」と定義し(p.4)、それを行う必要性はどこにあるのか、どのように行うのか(インタビューやテープ起こし、さらには読むに耐える「作品」にするための技法など)、オーラル・ヒストリーの読み方、研究への活用例などを記述している。2~4章はどのように行うのかという点の技術的な話が説明されているので、自分でオーラル・ヒストリーをやるわけではないが、研究で活用しなければならないという場合には、1章と6~7章だけを読んでもおそらく大丈夫。2013/12/04

take

0
筆者が開講したオーラルヒストリーの授業内容を編集したもの。内容は本当にオーラルヒストリーの触り程度。心構えや手法も書かれてはいるが、本格的な調査に備えるならば、他の専門書を参照したほうがよい。 ただインタビューの手法とは離れるが、武田執筆章は、社会学のシカゴ学派からガーフィンケルまでの流れが解説してあり、個人的に好感が持てた。 (P.S.インタビュイーとの関係をほぐすための会話例として「公園で猫がセックスしてました」とある。はたして本当に筆者が実践を想定してアドバイスしているのだろうか)2017/12/14

壱萬参仟縁

0
政治学や経営学での分析手法として、社会学出身の評者からも広く社会科学全般的に必要なヒアリング手法だと思う。おそらく、今ではICレコーダーで音声録音だろうし、デジカメやハンディカムで録画するなどできるため、調査後に確認しやすくなっているため、メモとりに集中していた注意力を他に向けることができるようになっている。被験者は同じ人間なだけに、情に流されないようにしないと、客観的な科学を築けないので、自戒を込めて注意したいと思う。2012/06/15

Hemmi

0
具体的な方法が書かれた部分はかなり参考になった。2011/01/25

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