内容説明
オーラル・ヒストリー(聞き取りによる調査)は、意思決定過程を分析する研究手法として政治学(政治家や官僚など)や経営学(企業経営者)の分野において、1990年代以降実践され、それまでブラックボックスとなってきた政府や企業の実態を明らかにする上で大きな成果をあげてきている。しかしそれは性質上、聞き手と語り手の相互作用によって強く規定されるものであるために、その方法は聞き手の個人技とされ、普及が立ち後れてきた。このような状況を打破すべく編者らは、講義+実習+成果作成というカリキュラム構成によって、基礎技術の習得と実践を目指す「オーラル・ヒストリーの学校」を立ち上げ、学としてのオーラル・ヒストリーを確立するにいたった。本書は、経験豊富で最高水準の技量を有する講師たちによる、そのためのテキストとして、他に類をみない価値を有する講義の記録。
目次
序章 「おーらりすと」養成のために
第1章 オーラル・ヒストリーとは何か―「語り手の浸透」から「聞き手の育成」へ
第2章 インタビューの技術
第3章 記録の技法(トランスクリプション)
第4章 作品化の技術
第5章 オーラル・ヒストリー・アーカイブ―可能性と課題
第6章 政治談話とオーラル・ヒストリー記録―政治学から読むオーラル・ヒストリー
第7章 オーラル・ヒストリーの活用法―機械工業振興臨時措置法に関する研究を中心に
著者等紹介
御厨貴[ミクリヤタカシ]
1951年生れ。東京大学法学部卒業。東京大学先端科学技術センター教授。政治学・政治史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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Ryueno
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壱萬参仟縁
Hemmi