出版社内容情報
日露戦争後から関東大震災までのおよそ二〇年間、広く人びとの生活に洋楽文化の諸要素が進出していく様相を叙述する。流行歌の曲調が欧化し、西洋の音楽家たちも数多く来日して、若者たちが洋楽器を手にしつつ、芸術音楽を語る時代であった。併せて、童謡運動の勃興、家庭音楽の提唱、浅草オペラの誕生などが描かれる。
内容説明
日露戦争後から関東大震災まで、デモクラシイは時代のなかで音楽の在り方を変えていった―第二巻では、童謡運動の勃興、家庭音楽の提唱、浅草オペラの誕生など、洋楽文化の受容の様相が叙述される。
目次
デモクラシイの音色
第1部 歌の革新(「カチューシャの唄」;童謡)
第2部 大人のオペラ、子どもの歌劇(お伽歌劇;浅草オペラ)
第3部 女子のいる場所(家庭音楽;工場音楽)
第4部 始まりとしての関東大震災(関東大震災;「船頭小唄」;鳥取春陽)
著者等紹介
細川周平[ホソカワシュウヘイ]
1955年生まれ。東京芸術大学大学院音楽研究科博士課程修了。現在、国際日本文化研究センター名誉教授。専門分野は近代日本音楽史、日系ブラジル文化史。著書に『遠きにありてつくるもの―日系ブラジル人の思い・ことば・芸能』(みすず書房、2008年、読売文学賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
1
ふむ2024/10/20
水紗枝荒葉
1
シリーズ第2巻。日露戦争から関東大震災までの期間を「デモクラシイ」と称し、洗練されていくポピュラー音楽の流れを追う。各部の内容は、「歌の革新」(カチューシャの唄、童謡)、「大人のオペラ、子どもの歌劇」(浅草オペラ、お伽歌劇)、「女子のいる場所」(家庭音楽、工場音楽)、「始まりとしての関東大震災」(船頭小唄、鳥取春陽)。お伽歌劇や工場音楽などこれまで無視されがちだったトピックが扱われていて参考になる(書きぶりは楽しそうではないが)。また作曲者・自作自演歌手として鳥取春陽を取り上げるチョイスが面白い。2024/05/03
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