内容説明
「日の出から日の入りまで、その領土で太陽が輝かないときはないのだ」―一世紀余りにわたって強大な一大帝国を誇ったスペインは、一七世紀後半に入ると一転して大きく凋落する。「スペイン帝国」とは何であったのか。王権の性格、軍事力、帝国経済、衰退をもたらした要因、異端審問制度の果たした役割、「血の純潔」問題、スペインの社会的・文化的異質性など、つねに論争を呼んできた「黄金時代」をめぐるスペイン史学の主要な議論を、歴史に対するステレオタイプ的理解をきびしく批判しながら紹介する。
目次
第1章 序
第2章 スペインの絶対王政
第3章 帝国の創造と崩壊
第4章 スペインは衰退したのか
第5章 なぜ宗教改革が行なわれなかったのか
第6章 スペインは異なっていたのか―黄金時代の社会と文化
第7章 結論
著者等紹介
ケイメン,ヘンリー[ケイメン,ヘンリー][Kamen,Henry]
1936年生まれ。スペイン近代史。元バルセローナ高等学術研究院教授
立石博高[タテイシヒロタカ]
1951年生まれ。スペイン近代史。現在、東京外国語大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちまりん
17
スペインといえば、アメリカ大陸の征服、インディアスからの金銀で富み栄えた黄金時代というイメージが強い。本書でも取り上げられていたピカレスク小説『ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯』等読むとスペインの黄金時代は表面上だけだったということは理解できたが、何故それほど貴金属の輸入が多かったにも拘らず、主人公ラサロや貧しい郷士(『ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯』でラサロが仕えた主人)のような境遇の人たちばかりなのか不思議だった。そうか、スペイン自体もヨーロッパの「植民地」になっていたのか。ちょっと納得。2014/12/14
中年サラリーマン
15
読んだけど、スペインって何かつかみどころがない。はじめと栄光と衰退が全てあいまいな感じだ。それが興味をそそる。もっと突っ込んで勉強してみようか・・・2014/01/21
A.Sakurai
1
「スペイン帝国の興亡」を読んだので、もっと新しめの概説書をと思って読んで見た。しかし概説書というより、"黄金時代"というのはそもそもなかったのだ!というなかなか魅力的な見解を述べるものだった。「スペイン帝国の興亡」では興亡の要因をカスティーリャ人の気質に見ていた。本書はそもそも興亡は無かったとする。なぜなら一貫してカスティーリャは貧しい小国に過ぎなかったからだ。たまたま同じ君主を頂く連合の中心にいただけで実質的な統治者ではなかった。新大陸からの富も右から左へと戦費と外国商人に流れただけであったとする。2014/07/05
カキモトのおでん
0
急にスペイン帝国の没落の理由を知りたくなる。「スペイン帝国の興亡」より安く、「スペイン」の特殊性を強調してないとこを気に入り購入。先人の論文やデータを重視し、疑問のある部分には留保を付けている。作者はまず「帝国」の構造を原因に挙げている。膨張した領土の保持の為に高額な維持費を必要とし、それを金銀で賄ったので富が国内に蓄積されなかったのはわかった。それと国内の荒廃とがどのような関連があるのか?資源の呪い?気候変動?2015/03/08
Hiroshi Horikami
0
スペインってスペインではなかったのか~。所謂黄金時代、全盛期はある意味衰退期とも取られるみたいで。2013/07/27




