出版社内容情報
相続することとは何か.そして,過去からの遺産に応答することとはいったい何なのか…….冷戦後の1993年,それらの問いをめぐって斬新なマルクス解釈を提出する主著『マルクスの亡霊たち』をデリダは刊行し,幾多の批判を呼び起こした.それらの批判を前にしたデリダ本人が真っ向から応答して物議を醸した問題の書.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
有沢翔治@文芸同人誌配布中
3
、現代のマルクス主義と呼ばれる人々は正しくマルクスを継承していないとして、思想を継承するとはどういうことかを考えてます。例えば具体的にはアントニオ・ネグリ*2とかピヴァックとかを想定しているようです。ネグリは名前は知ってても読んだことは……。 マルクスのことよりも、むしろそれを例とした「遺産相続」問題です。https://shoji-arisawa.blog.jp/archives/50778527.html2009/01/11
白義
2
マルクスの亡霊たちの続編のようだが、國分氏の解説が丁寧、かつ素晴らしい翻訳でこれからでもOK。前著の批判に答えながらメシアニズムなきメシア性(要は他者にどう構えるかという話)の問題などを突き詰め、現代思想から出たマルクス論の中でも出色の一冊だと思う。あと、デリダには珍しく陽気で明るく感じられるのは訳のせいか。批判者たちへの反論がやけにノリがいい2010/12/28