岩波モダンクラシックス
保守革命とモダニズム - ワイマール・第三帝国のテクノロジー・文化・政治

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 423,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000271660
  • NDC分類 234.07
  • Cコード C0322

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

34

26
ドイツの工業化はブルジョワ革命をともなうことなく、イギリスやフランスに遅れて、その分だけ急激に徹底した仕方でなされたので、生き生きとした自由主義の伝統が根づくことはなかった。そこに第一次大戦とその敗戦の経験がやってきて、ワイマール期の保守系知識人たちに、イデオロギー上の固着点を提供した。奇妙なことにも、ドイツ民族の固有性の(反自由主義的な)主張が、近代技術を肯定する身振りと結びつく。この結びつきが、ナチズムのイデオロギーのなかに直接流れ込んでいった。2018/08/24

てれまこし

7
国を強くするためにはテクノロジーが必要だ。が、技術的進歩を受け入れて行ったら哲学者と詩人の国はどうなるんだ。和魂洋才とはいうもののどうも魂と才能は関係があると気づいたのは日本だけじゃなかった。ドイツ魂を救うがために、技術発展はドイツの民族性の表れとして資本主義(ユダヤ人的とされる)から切り離される。社会的範疇は人種化されて、近代の好ましくない部分は他者に押付けられる。「血と土」「鋼鉄のロマン主義」なんていう詩的な言葉で政治行為が正当化されるようになる。伝統が近代化のために動員される。こりゃ他人事じゃない。2018/11/29

ぽてと

4
近代や啓蒙主義について考える上でとても重要な本だろう。それらがもたらした帰結を否定的に捉えるホルクハイマーとアドルノの『啓蒙の弁証法』に対して批判を突きつける本書はシュペングラー、ゾンバルト、ハイデガー、シュミット、ユンガーなど当人の意図するしないに関わらずナチズムに影響を与えた思想家たちを検討し、彼らが近代主義からテクノロジーを切り離し、ドイツのロマン主義的伝統に接ぎ木していく様を描き出していく。ドーラに見られる非合理的で複雑な兵器が作られた理由もわかった気がする。2017/01/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/666665
  • ご注意事項