内容説明
現代におけるレトリックの複興はめざましい。言語のもつ創造性のもっとも明瞭な表現である“生きた隠喩”が、言語・記号活動の本質を捉えうるところに、レトリックの新しい意義が見出されるからである。本書は、アリストテレスから現代に至るレトリック理論に、言語と創造力との観点から新しい光をあて、その機能と構造を明らかにする。
目次
第1研究 弁論術と詩学の間―アリストテレス
第2研究 隠喩と語の意味論
第3研究 隠喩と言述の意味論
第4研究 類似の作業
第5研究 隠喩と対象指示
第6研究 隠喩と哲学的言述
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よこづな
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難しい。「語の代置としての隠喩でなく、述語作用としての隠喩は意味論的過程、意味の発生論的現象である。」「文の意味は、記号の所記ではなく、『志向されるもの』である。」「(隠喩に関わる)イメージは知覚から発生するのでなく、言語から発生する。」(久米博)2009/08/21
佐々木の記録2月11日から
0
多分あと十回くらい読むんですけど。リクールはこの本から入ると間違いないなという気がしている。まず書かれていることに対する意識をセッティングするいい契機になるかな、と。75年の哲学書だが、アリストテレスからこの時代までの先行研究がド親切に引用されクイックにまとめられているのでよい。最後の第六に至るまでに第一を読み込まないと置いてかれるな〜、ということで丁寧に精読していかないといけない。第六「隠喩と哲学的言述」。意味論、存在論を小出しにされつつ第六に至る。存在については90年になっても無理だったじゃん。な?2021/03/19