内容説明
煮炊きのための土器、石を割って鋭い刃をつけたナイフなど、人は道具を作り使うようになった。土器のさまざまな紋様は誰がどのように施したのか。石器はどのような用途をもってどのように発展したのか。土器紋様の施し方から右利き・左利きの多寡を類推した学生時代の論文をはじめ、綿密な観察と民族例の活用が光る卓抜の古代文化論。
目次
手から道具へ・石から鉄へ(原料を加工する;回転運動 ほか)
1 土器をつくる技術(先史時代における右手の優越;弥生式土器製作技術に関する二、三の考察―櫛描紋と回転台をめぐって)
2 縄紋土器と弥生土器(縄文施紋法入門;弥生土器総論 ほか)
3 地域社会と土器(山城における弥生式文化の成立―畿内第1様式の細別と雲ノ宮遺跡出土土器の占める位置;みちのくの遠賀川)
4 石器論(石斧論―横斧から縦斧へ;石斧再論)
著者等紹介
佐原真[サハラマコト]
1932年、大阪に生まれる。幼稚園のとき土器片を拾ったことから考古学の道に。大阪外国語大学ドイツ語学科を経て、64年京都大学大学院博士課程修了。外国文献、関連諸学への広い視野をもつ。奈良国立文化財研究所勤務の後、国立歴史民俗博物館に移り、97~2001年、同館館長。考古学の知見を現代の生活に結びつけ、分かりやすく語り続けた。02年逝去
金関恕[カナセキヒロシ]
1927年生まれ。大阪府立弥生文化博物館館長
春成秀爾[ハルナリヒデジ]
1942年生まれ。国立歴史民俗博物館教授
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