出版社内容情報
国家と制度の「境界」面に着目しながら、中東、北アフリカにおける国内や国家間の様々な紛争や危機、またシリア難民危機や宗教意識の対立、UNHCRをめぐる湾岸諸国の政治力学など、国家の枠組みを越えて生じる多様な問題を追う。人間を取り巻く過去から現在に至る錯綜した関係性は、いかなる危機をもたらしたのか。
内容説明
第2巻では、国家と制度の「境界」面からグローバルな危機を捉える新たな試みに挑戦する。紛争が多発する中東・北アフリカにおける国内外の危機の諸相を描き出し、クルド問題、シリア難民危機、UNHCRをめぐる湾岸アラブ諸国の政治力学、宗教意識の対立や音楽に備わる政治的な力など、国家の枠組みを越えて生じる錯綜した問題を追う。
目次
「境界」に現れるグローバルな危機の関係学
1 思いがけない錯綜がもたらす危機(グローバルな危機とパキスタンの苦難―現代史の地下水流;エジプトのリビア介入の諸要因―グローバルな危機の拡大とその影響;革命は神話か?―チュニジアの新自由主義危機に対する反応;「イラン危機」は誰にとってのどのような危機か―通時的関係性の錯綜と境界)
2 危機の背景と通時的関係性(対クルド政策―トルコ国家とクルド問題の変容;シリア難民をめぐる危機のグローバルな波及―交錯する時間軸と関係性;UNHCRをめぐる関係性の変容と人道規範の危機―湾岸アラブドナーの台頭をどう見るか;国家の土台で錯綜する宗教と政治―フランスのライシテと暴力;歴史と脅威を通じ政治的絶対主義へ直面する―ウガンダにおける音楽、LGBTI+と政治運動)
著者等紹介
松永奉行[マツナガヤスユキ]
1963年生。東京外国語大学教授。比較政治学、国際関係論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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