出版社内容情報
日本も世界も激動と変革の真只中にあった1953年,あえてバークと取り組み,保守の思想を内在的に論じた記念碑的なデビュー作.続編としてメッテルニヒを扱った気鋭の論文と,付論「レゾン・デタ(国家理性)」も収録.
内容説明
日本も世界も激動と変革の真只中にあった一九五三年、あえてエドマンド・バークと取り組み、保守の思想を内在的に論じた記念碑的なデビュー作。当時の資料の制約により未完となっていたが、今回新たに二五〇枚を書き下ろし、完成に至った。また、続編としてメッテルニヒを扱った気鋭の論文と、付論「レゾン・デタ(国家理性)」を収録。
目次
1 国際政治における反革命思想―エドマンド・バーク(革命への反応;伝統的政治体制;伝統主義的思惟様式;ヨーロッパ体制)
2 ウィーン体制の精神構造―メッテルニヒ
付論 レゾン・デタ(国家理性)
著者等紹介
坂本義和[サカモトヨシカズ]
1927年、米国ロサンジェルス生まれ。小学校半ばまで、主として中国の上海に在住。1951年、東京大学法学部卒業。1954年、同大学法学部助教授、64年教授(国際政治)、88年定年退官、名誉教授。その後、明治学院大学教授、国際基督教大学平和研究所客員所員を経て、同顧問
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感想・レビュー
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白義
17
「名誉革命体制の良心」と言われるバークは、海を隔てた向こうで起こったフランス革命に当初期待を寄せたが、じきにそれを悪と断じ、黙示録的な全面闘争を強く訴えた。一方、彼はその生涯に渡り透徹した叡知でプラグマティックで良心的な提言を残してきた人物でもある。そのプラグマティズムと全面戦争の訴えはいかに両立していたのか。また、彼の中の「名誉革命体制」と「フランス革命」の違いはなんだったのか。そこからバークの「ヨーロッパ」観を浮かび上がらせ、大変動時代に対する知性の陰影も描き出す白熱の論考2013/12/16
かじやん0514
2
名作だった。国際政治が変動するときに、既存の秩序を維持しようとするものは何を考えるか、というのは現代にも通ずるテーマ。 2011/04/05
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