出版社内容情報
明治期、「文学」概念がゆらいでいた時代の中で、その独自の感性と知見から、歴史、藝術、思想へと関心を広げ、「国文学」の枠に収まらない学際性を発揮した藤岡作太郎。男性側の価値観から解放された文学史の叙述をはじめ、風俗史、絵画史などの歴史研究、思想史へのアプローチなど、幅広い領域にわたる業績の真髄に迫る。
内容説明
新時代の「文学」概念が模索される中、西田幾多郎などの学友から刺戟を受けつつ、独自の感性と知見から、歴史、藝術、思想へと関心を広げ、「国文学」の枠に収まらない学際性を発揮した藤岡作太郎。男性側の価値観から解放された文学史の叙述をはじめ風俗史、絵画史、思想史など、幅広い領域にわたる業績の真髄に迫る。
目次
略伝(はじめに―藤岡作太郎に注目する意味;略歴 ほか)
第1章 「文明史」を志向する(「文明史」への意識;文学研究からの越境―風俗史と絵画史を中心に ほか)
第2章 「文学史」を構想する(明治期の国文学;「文学史」濫造の中で ほか)
第3章 鑑賞的批評の確立(「平安朝の一人となりて」;『源氏物語』の構成把握 ほか)
著者等紹介
陣野英則[ジンノヒデノリ]
1965年生まれ。1998年早稲田大学大学院博士後期課程満期退学。博士(文学)。現在、早稲田大学文学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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軍縮地球市民shinshin
11
藤岡作太郎といえば、明治期の国文学者で東大教授。金沢出身で鈴木貞太郎(大拙)、西田幾多郎と中学の同級生とは知らなかった。金沢では「三たろう」と呼ばれ親しまれているらしい。ただ藤岡は40歳に満たずに早逝している。藤岡と言えば『国文学全史 平安朝篇』、『国文学史講話』が主著だが、絵画史、風俗史の著作もあるとは知らなかった。特に絵画史は、通史として現在でも通用する業績だという。ここから分かるように藤岡の「文学史」は単なる文学の歴史ではなく、絵画や風俗をも射程に入れた「文明史」を構想していたのではないか?というの2024/01/25
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