内容説明
対話篇形式がもつ意味を丁寧に解きほぐし、プラトン読解の注意点をわかりやすく示す。近年の専門研究を踏まえるとともに、ジェンダー論や心身問題など、現代的なテーマとの関わりにも配慮。これから対話篇を読む人、哲学とは何かを考えたい人にお薦めする良き道案内。
目次
1 プラトンと議論する
2 プラトンの名前、その他の事柄
3 ドラマ、フィクション、捉えがたい著者
4 愛、セックス、ジェンダー、哲学
5 徳―私の、そして社会の
6 私の魂と私の自己
7 ものごとの本質
著者等紹介
アナス,ジュリア[アナス,ジュリア][Annas,Julia]
オックスフォード大学・コロンビア大学を経て、現在アリゾナ大学教授
大草輝政[オオクサテルマサ]
1972年生。古代哲学。現在、京都大学非常勤講師、日本学術振興会特別研究員PD
中畑正志[ナカハタマサシ]
1957年生。古代哲学。現在、京都大学大学院文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フム
25
図書館本。借りる本を間違えたかもしれないと思った。入門書として読みやすそうなものを選んだのだけれど。最近読書する中で、教養の足りなさを感じた分野にギリシャ哲学がある。ソクラテス、プラトン、アリストテレス。哲学の基盤のような存在だから、あえて学ぶ必要はないと思っていた。考えたらその教養が大事なのだ。たとえば西洋絵画を鑑賞するときなども。ソクラテスが議論を重視していたことや、プラトンにとって理解や知恵を探究するために哲学があったということに興味を持った。考えることや議論することは現在においても大切なことだ。2025/03/12
メガネ
13
フィクションの標準的工夫、イデアとはなにかというのは、何ですかね。勉強は、初めから学ぶのがよいということで、ここらへんを読む必要があると思っていたので借りて読んでみました。プラトンが対話篇という形と取ったことを考えると、「西洋の全ての哲学はプラトン哲学への脚注に過ぎない」というのは、まるでプラトンが何かを直接に語っていると示唆するようで、誤っているといえるのかもしれない。そもそも、「全て」なんて言い切りなので、そんなものかもしれませんが。2015/06/29
陽香
2
200812052016/02/28
naokovski
2
このシリーズで同じ著者が書いた『古代哲学』よりは遥かに読みやすい。著者がさらなる工夫を重ねたのか、翻訳者が違うからかはわからないけれど、どちらも当たらずも遠からずといった感じだろうか。プラトンに関してこれ「一冊でわかる」とは言わないが、プラトン思想からもはや独り歩きしてしまっているような「イデア」やら「哲人政治」やらの用語を理解するための本質的な基盤を我々に与えてくれる。キーワードだけを追う教科書や入門書を読む前に、是非一読すべき。2010/09/14
右目
1
一冊で…わかる…か!? たぶん本当に何にも知らない初心者に渡してもわからないのでは!?という…気はするけど…プラトンの著作全部なんか読んでらんないよ〜!どういう思想のもとに哲学を捏ねてた人なのか知れればいいよ〜!という人には…いいのかもしれない…本当に…わかるのか!?とは思うけど…2022/09/26
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