感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
左手爆弾
4
ハーバマスの概観としてよくできている。アドルノら先行者が近代をあまりにも敵視し、コミュニタリアンが復古的な主張をするのに対し、ハーバマスは近代そのものを否定すれば、そこから得られた人権などの成果までもが覆ってしまうとして、別の道を探る。彼が言語哲学に通暁しており、だからこそ「意味」についてあれほどこだわったことを恥ずかしながら初めて知った。あと、社会は個人の集合体だとする考え方(契約論)と、社会は分割不可能だとする考え方(有機体論)についてはもっと知りたかった。2014/07/25
陽香
2
200710242016/02/24
つまみ食い
1
シリーズ名を見て、なんだ薄っぺらそうな本だなと思われるかもしれないがハーバーマスが学術的文脈にどのように位置づけられ、どのように初期から後期の研究プログラムを展開し理論と概念を生み出したかが濃厚にまとまっている。 見かけほど易しい本ではなくむしろ読むのに時間がかかる部類の本かもしれないが、ハーバーマスを読む際にはおすすめできる一冊2020/07/07
yuki
1
現代の哲学者、ハーバマスの思想体系を概説したもの。ハーバマスは、言語哲学、社会学、政治哲学、法哲学などの分野横断的な業績を残しており、特に、討議倫理学が有名である。本著は、彼の思想が平易に、かつ包括的に記述されており、如何なる問題意識で彼の哲学が行われたか、また、それぞれの哲学領域相互の関係は如何なるものかについても、良く解説されている。ハーバマスを知る最初の一冊として、不満は無かった。現代日本人が、最も学ばなくてはならない哲学の一つである事は、日本の政治ー日常社会状況を概観して、一見明白であろう。
田中AD
1
ハーバーマスの射程が広すぎてこの本の分量では一章のページが少なく、読み取るのは一苦労。これは一つの分野の天才を追うとは違った味。各分野も面白くつい読んでしまう。2014/10/22