内容説明
「私が何者であるかをたずねないで下さい。同一の状態にとどまれとは言わないで下さい」―固定したアイデンティティにからめとられることをつねに逃れつづけた「仮面の哲学者」フーコー。理性や主体といった既成概念に揺さぶりをかけ、近代社会における権力、知、アイデンティティのありようを精緻に分析してきたフーコーが、生涯心奪われてきた根本テーマとは何だったのか。文学、政治、歴史、哲学など諸分野にわたるフーコーの知的取り組みをあとづけながら、晩年にいたるまでの思想の道筋をコンパクトに描きだす。
目次
1 複数の生涯と著作
2 文学
3 政治
4 考古学
5 系譜学
6 仮面の哲学者
7 狂気
8 犯罪と処罰
9 近代の性
10 古代の性
著者等紹介
ガッティング,ガリー[ガッティング,ガリー][Gutting,Gary]
フランス現代哲学、科学哲学、アメリカ、ノートルダム大学哲学科教授
井原健一郎[イハラケンイチロウ]
1967年生。フランス哲学。現在、首都大学東京人文社会系助手(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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けいぎ
3
明晰な言語、英語によって書かれたのだし、かなりスマートに堅実にまとめてある好印象の本。(寝る前の一見。起きたら使えるところをちゃんと読もう)2015/11/11
田畑
3
定説に疑いを持たないのはマヌケ、ということ。人間の思考形式は社会構造によって規律されているんですね。2014/08/07
陽香
2
200702232016/03/05
Ryosuke Tanaka
1
歴史をどう(因果的に)説明するか、という方法論的な部分に関心を持った。哲学者というより多分に科学史家的な部分があるが、ハッキングへとつながっているということで納得がいった。2015/12/25
Nobody1
0
変貌するフーコー。自己の問題に関してもっと理解を深めたい。2013/05/25