内容説明
いったい聖書はどのような過程をたどって聖なる文書となったのか。また、さまざまな共同体や文化のなかで、いかなる受容や利用のされ方をしてきたのか。読みの多様性の歴史をたどり、今なお聖書がもつ人を動かす大きな力と創造性を浮き彫りにするユニークな聖書入門。
目次
1 現代世界の聖書―古典テキストか、それとも聖なるテキストか?
2 聖書はどのようにして書かれたか
3 聖書の成り立ち
4 信仰者の世界における聖書
5 聖書とその批判者たち
6 聖書とポスト植民地主義世界
7 上層文化および大衆文化における聖書
8 政治における聖書
9 むすび
著者等紹介
リッチズ,ジョン[リッチズ,ジョン][Riches,John]
1939年生まれ。新約聖書学。2003年までグラスゴー大学教授。テキスト受容の多様性に対する強い関心が研究に一貫して流れている
池田裕[イケダユタカ]
1940年生まれ。旧約聖書学。筑波大学名誉教授
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感想・レビュー
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かす実
5
わたしは駅前で配っている聖書や宗教のチラシなど、なんとなくもらってしまうタイプの人間だ。宗教に対して昔からうっすらとした興味を抱いていた。ただし、どんなにすてきな教えだとか思っても自分が信仰することはしない。人々が無条件にそれを信じている、という状況に興味がある一方で、自分がそのようになにかの思想に偏ってしまうのはすごく怖いから。この本を読んだのは高1の時。聖書の成り立ちから大まかな思想くらいは、常識・教養として知っておきたかった。聖書は、実際目で見て触れてみてこそ意味があるという。もっと研究してみたい。
陽香
2
200412102016/03/16
てり
1
聖書の成り立ちからその受容、どのように読まれ批判されきたのかをさまざまな視点からあぶり出す。自分にはちょっとハードルの高い内容だったが、訳者あとがきにはなるほどと思えた。聖書内の不条理なこと・矛盾していることをあげつらうよりも、聖書世界・教会世界から蚊帳の外にいる日本人なりの読み方もあるのかなと思えた。2022/07/06
石ころ
0
大学図書館にて。さくさく読める。2015/10/22