出版社内容情報
古代の人びとは文字をどのように使いこなしたのか。文書行政は漢帝国の支配システムにいかに組み込まれていたのか。甲骨文・金文・石刻などの媒体も視野に入れながら、竹簡・木簡から紙の時代へ、中国古代の書記文化の多様な展開を提示する。文字の文化史、書物の文化史を学ぶうえで必読の書。好評の旧著に新稿2篇を増補。
内容説明
二〇世紀初頭、かつて古代中華帝国の辺境地帯であった敦煌、居延で、官僚や兵士たちが書き残したおびただしい木簡群が発見された。二〇世紀後半には、中国各地から木簡・竹簡(簡牘)があいついで出土し、その総数は数十万に上る。幻の兵法書『孫〓(ぴん)兵法』をはじめとする書籍、字書、法律文書、命令書、契約書、帳簿、暦、札、手紙など、内容・形式ともに多彩なこれら簡牘資料は、中国古代史研究に飛躍的な知見をもたらした。古代の人びとは文字をどのように使いこなしたのか。文書行政は帝国の支配体制にいかに組み込まれていたのか。甲骨文・金文・石刻などの記録媒体も視野に入れながら、簡牘の時代から紙の時代へ、「紙本成立前夜」の多様な書記文化を豊かに提示する。好評の旧著に新稿二篇を増補。
目次
第1章 紙の発明とは?
第2章 紙以前の書写材料
第3章 木簡と竹簡
第4章 簡牘が語る書記の世界
第5章 楼蘭出土の文字資料より―併用される木と紙
第6章 漢から晋へ―簡牘から紙
著者等紹介
冨谷至[トミヤイタル]
1952年生。中国法制史、簡牘学、現在、京都大学人文科学研究所教授。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tom
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- 和書
- 政治的に正しいおとぎ話