ペンギン評伝双書
マルセル・プルースト

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  • サイズ B6判/ページ数 186p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000267656
  • NDC分類 950.28
  • Cコード C0023

出版社内容情報

上流思考のスノビズム,人種的両義性,生涯を色濃く彩る同性愛的傾向,鋭い感受性,ドレフュス事件への関わり….今世紀最高と評されることの多い大作家の知られざる人物像を浮彫りにする,ゲイの作家による話題作.

内容説明

大作『失われた時を求めて』によって20世紀の世界文学に決定的な影響を及ぼした作家プルーストの、生涯を色濃く彩る同性愛的傾向を鮮やかに浮かび上がらせ、プルーストの作品解釈に大きな転換を迫る刺激的な傑作。人種的出自やドレフュス事件への関わり等の微妙な問題をも的確に抑えつつ、作家の知られざる側面を赤裸々に描き出し、新たな作家の全体像を提示する。自らもゲイの作家・批評家として広く知られ、数々の文学賞受賞歴を誇る作家による話題作。巻末に、「プルースト カミング・アウト」(土屋恵一郎)を併載。

著者等紹介

ホワイト,エドマンド[ホワイト,エドマンド][White,Edmund]
1940年生まれ。米国で最も著名なゲイの作家・批評家。ミシガン大学卒業後、出版社勤務、雑誌編集者を経て、作家活動を開始。同性愛の作家集団を結成し、注目を集める。本書『マルセル・プルースト』のほかに評伝Jean Genetをはじめ20冊近い著書を発表。V.ナボコフ、S.ソンタグ等から高い評価を得る。全米図書批評家賞を始め、フランス、アメリカ両国で多数の賞や勲章を受けている

田中裕介[タナカユウスケ]
1972年生。慶応義塾大学文学部(フランス文学専攻)卒。現在、一橋大学大学院言語社会研究科博士課程在籍。成城大学非常勤講師。専攻は英文学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナハチガル

17
久々のプルースト。図書館でフランス文学の棚を見ていたら関連本がいっぱいあって、ベケットのは小難しそうだったし、写真をテーマにしたものは偏っていそうだし、作品論よりも伝記をということで一番シンプルそうなこれを手に取ったら、ゲイ作家による「プルーストの、生涯を色濃く彩る同性愛的傾向を鮮やかに浮かび上がらせ」る作品だったが、それほど違和感はなく、マニアックでもなく、コンパクトで、楽しめた。プルーストのさまざまなエピソードや交友関係を読みながら、数年かけて読んだ『失われた時を求めて』が懐かしく思い出された。A-。2022/03/10

袖崎いたる

11
この本に何が書いてあったかと訊かれればゲイの芸、と洒落をキメたくなるような一冊。というのもプルーストもそうならば著者のホワイトもそうであるらしく、記念碑的大著の『失われた時を求めて』のゲイ文学としての可能性を評伝という形式で問い詰めている。また、二十世紀における書字の権力なども紹介されていて、当時の社会規範なども知ることができる。プルーストが自身の同性愛気質が周知のこととなるのを全力阻止していた背景としてそうした事実も絡むし、彼がいわゆる社交に血道をあげるぼんぼんであったスノッブ的側面なども披瀝されてる。2017/05/08

Shun'ichiro AKIKUSA

5
いい本ですね。訳もいいんじゃないでしょうか。2020/04/17

青葉

3
正確には再読。ゲイであることをひた隠しにしていたプルーストの真実と作品への表れ、についての評論だが、個人的にはプルースト関係を読むようになったのがここ数年なので、プルースト=ゲイについては、「いまさら?」と思っていた。むしろ先にエドマンド・ホワイトを読んでいたくらい。だから、これが革新的なのかについてはわからないが、とにかく読み物としておもしろい。お薦め。2009/05/14

国重

0
簡略な伝記ながらプルーストの生涯や家族、登場人物のモデル達などについて色々知ることができた。長きにわたる執筆中の心理や出版に関する経緯なども面白い2015/10/21

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