出版社内容情報
本書は,敗戦より現在にいたる30年余の間に世界・アジア・日本の現実が大きく変動していく中での,日本国民の世界史認識の歩みを,具体的な事例に即して跡づける.歴史学界だけでなく,隣接諸科学やジャーナリズムの領域をも含めて,その時々に提起された多様な問題と背後の歴史意識を,全体的なつながりのもとで考察する.
内容説明
敗戦から三〇年余の間の日本人の世界史認識の歩みを、歴史学界だけでなく、隣接諸科学やジャーナリズムの領域も含めて考察する。世界・アジア・日本の現実が大きく変動している今日、日本人の世界史認識を問うことは必須の課題である。
目次
第1章 新たなる門出(戦後民主主義のまぼろし;社会科学と世界史認識 ほか)
第2章 視座の転換を求めて(内なる偏見の克服;高校「世界史」と「基本法則」 ほか)
第3章 民族独立と世界史像(アジアにおける日本;民族問題の登場 ほか)
第4章 分極化の時代(変わりゆく世界;「講座派」批判と生態史観 ほか)
第5章 問いなおされる世界史(全体性への志向;地域と民衆 ほか)