出版社内容情報
日本古代の人びと及び国家にとって仏教とは何であったのか,中世に至って鎌倉仏教とよばれる日本特有の仏教がなぜ生み出されたのか,日本仏教の成立の意義とその史的背景をあきらかにする.
内容説明
貴族層を担い手とする古代の国家仏教が、中世になって広範な人びとに受容され、鎌倉仏教と総称される創造的な活動へといたるのはなぜか。古代国家の解体が生み出した「思考の自由の空間」を析出し、「日本特有の仏教」のもつ普遍性を明らかにする。
目次
前篇 律令国家と仏教(憲法十七条と三経義疏;律令的国家仏教の形成;大乗仏教の社会的実践;律令的国家仏教の変革)
中篇 王朝国家と仏教(天台浄土教と王朝貴族社会;説話集からみた平安朝の民間仏教;別所念仏の思想と集団)
後篇 鎌倉仏教と国家(専修念仏と念仏停止;鎌倉仏教と復古主義)