岩波セミナーブックス
トックヴィルを読む

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  • サイズ B6判/ページ数 238,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000266017
  • NDC分類 311.235
  • Cコード C0331

出版社内容情報

トックヴィルは大革命後の「民主主義的な社会革命」を歴史の必然と捉え,フランスの中央集権的官僚支配から人民の自由を守ろうと苦闘した.その思想を歴史的に位置づけ,彼の著作に照らして日本の民主主義を考察する.

内容説明

フランスの政治家・思想家アレキシ・ド・トックヴィル(一八〇五‐五九)は、フランス大革命以後の世界史を「民主主義的な社会革命」の進行過程と捉え、強化の一途をたどる祖国の中央集権的官僚支配から地方自治と人民の自由を擁護しようと苦闘し、『アメリカの民主主義』『旧体制と大革命』などの著書を世に問うた。その思想を歴史的に位置づけるとともに、彼の思想に照らして現代日本の抱える民主主義の問題を考察する。

目次

序章 トックヴィルと民主主義
第1章 大革命の子
第2章 パリの「大論争」
第3章 アメリカの発見
第4章 政府の不在―『アメリカの民主主義』第一部
第5章 民主的人間―『アメリカの民主主義』第二部
第6章 平等と隷従―『旧体制と大革命』
終章 トックヴィルと現代

著者等紹介

河合秀和[カワイヒデカズ]
昭和8年生まれ。東京大学法学部政治学科卒業。学習院大学法学部教授。比較政治・イギリス現代政治史専攻
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感想・レビュー

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Ise Tsuyoshi

1
トクヴィルの入門書。トクヴィルの著作の背景にある時代の状況や問題意識などを分かりやすく説明している。「ヨーロッパ大陸においては、主権をどう説明するか、その説明の方法は多様であっても君主主権論から権力制限論、さらには国民主権論にいたるまで、ともかく主権を前提にして政治社会が論じられていたのです」「(トクヴィルは)このような国家論を逆転させ、支配階級の存在しない社会、主権を必要としない国家のモデルをアメリカの中に読み込むことになったのです。これが彼の新しい政治学の新しさでした」(p.132)2020/11/07

じーーーな

1
中間団体などによる社会的紐帯が分解され、原子化した市民はむしろ中央集権国家に一元的に帰属する。集権的支配のために官僚制が徹底され、地方貴族はその特権を失って「農民に寄生するカースト」となる……。 大革命を肌で感じたトクヴィルはこのようなフランスの状況をアメリカのタウンシップや、ブルジョアジーと結んで没落を免れたイギリス貴族の状況と比較しながら分析する。2012/06/16

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