出版社内容情報
大著『コミュニケーション的行為の理論』によって,哲学と社会科学一般に多大な思想的影響を及ぼしたハーバマス.生活世界の植民地化からの解放をもとめる理論構築に苦闘するハーバマスが赴いた次のシーンは,倫理と道徳にかかわる意識・認識の問題であった.ガーダマー,アーペル,コールバーグとの思想的対決を試みる.
内容説明
著者ハーバマスは大著『コミュニケーション的行為の理論』によって、哲学と社会科学一般に多大な思想的影響を及ぼしたが、生活世界の植民地化からの解放を求めて理論構築に苦闘するなかで赴いた軍のシーンは、倫理と道徳にかかわる意識・認識の問題であった。ガーダマー、アーペル、コールバーグとの思想的対決を試みる刺激的考察。
目次
第1章 哲学者になにができるか
第2章 再構成的社会学と理解社会学(言語使用の二つの様態;解釈について、また理解の客観性について ほか)
第3章 ディスクルス倫理学―根拠づけプログラムのノート(予備的考察;論議規則としての普遍化原則 ほか)
第4章 道徳意識とコミュニケーション行為(コールバーグの理論における哲学的根本前提;了解志向的行為のパースペクティヴ構造によせて ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yakumomutsuki
1
コールバーグの道徳性発達理論を拠り所にしながら,道徳がいかにして形成されるのか,をコミュニケーション行為と関連させながら論じた4章など,興味深い内容は多い.しかし,本書自体がコミュニケーション行為や討議倫理といったものといった,それ自体が複雑な概念を用いて考察を行っているため,読者の知識・理解度に委ねられる.ゆえに,わたしの学問的素養ではぜんぜん理解できないのだけど,道徳の形成の過程を,仮説的に検証した点では意欲作だと思われます.2012/01/31
抹茶ケーキ
0
諸々の理論を用いながら、ディスクルス倫理を基礎づける。ディスクルス倫理学の原則は、「すべての関与者が、実践的ディスクルスの参加者として、同意を与えた(与えるであろう)規範のみが妥当を請求しうる」こと(p. 149)であり、それが普遍的に妥当するのは「係争中の当の規範にすべての人が従ったときに、すべての個人ひとりひとりの利害関心の充足にとって生ずると予期される結果や随伴結果を、全員が強制なしに受け入れうる」(p. 148)場合である。カントの『実践理性批判』を読んだ時みたいなわかりにくさがある。 2016/08/28
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- 和書
- いってらっしゃーい