思考のフロンティア<br> 歴史/修正主義

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思考のフロンティア
歴史/修正主義

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  • サイズ B6判/ページ数 121p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000264341
  • NDC分類 201
  • Cコード C0310

出版社内容情報

世界的な歴史の負債を「清算」する動きに対し,修正主義の台頭もまたグローバルな現象である.冷戦終結後に突出した「民族」とナショナリズム-その激化する《記憶の戦争》に分け入って,歴史のなかでどう判断すべきかを考える.

内容説明

侵略戦争や植民地支配の記憶と証言が、「忘却の政治」に曝されている。いかにして歴史への責任を果たすのか。物語の抗争が激化する現在、いかに判断し、なににコミットメントするのか。戦争責任/戦後責任、植民地支配責任をめぐる現代日本の論争という「出来事」のただなかで、歴史の再審にむけた法の脱構築が、いま始まる。

目次

1 歴史と責任(「罪人の子孫扱いなどもうごめんだ」;「子々孫々まで…罪人の如く」;「本質主義的」民族観の罠;責任を認める側にも同じ罠が…;「戦後責任」を果たすことはポジティヴな行為 ほか)
2 歴史と物語(ネオナショナリズムと「国民の物語」;「歴史の物語論」はどう答えるのか;「国民の物語」も物語られる;物語りの「倫理性」とは? ほか)
3 歴史と判断(「物語」の抗争;「法的責任」の問題;「多様な物語がある」ではすまない;「弱者」にとって「闘い」とは? ほか)
4 基本文献案内

著者等紹介

高橋哲哉[タカハシテツヤ]
1956年生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得。専攻は哲学。現在、東京大学大学院総合文化研究科助教授。著書に、『逆光のロゴス―現代哲学のコンテクスト』(未来社、1992年)、『記憶のエチカ―戦争・哲学・アウシュヴィッツ』(岩波書店、1995年)、『デリダ―脱構築』(講談社、1998年)、『戦後責任論』(講談社、1999年)など。共著に、『断絶の世紀 証言の時代―戦争の記憶をめぐる対話』(岩波書店、2000年)、『私たちはどのような時代に生きているのか』(角川書店、2000年)など。共編に『(ショアー)の衝撃』(未来社、1995年)、『ナショナル・ヒストリーを超えて』(東京大学出版会、1998年)、『戦犯裁判と性暴力』(緑風出版、2000年)など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネムル

13
野家啓一の歴史の物語り論に対してをはじめ、様々な批判が加えられるが、その対象を未読なので内容を上手く掴めず。歴史の入門というに適格かは疑問だが、また時をおいて読みなおす。2019/05/07

western

10
「Ⅰ 歴史と責任」ホロコーストや南京大虐殺を否定する歴史修正主義的言説の背後には、過去に自民族が犯した犯罪が「子々孫々」まで遺伝するかのような本質主義的民族観・国民観があり、また責任を認める側も同様の錯覚に陥りがちである。国家とその主権者である国民は、法的・政治的に戦後責任に全うすることによって、大日本帝国や第三帝国からむしろ積極的に距離を取ることができる。一方、有限の法的・政治的責任とは別に、未来志向でより普遍的な「記憶」の責任が存在する。「Ⅱ 歴史と物語」「想像の共同体」論と歴史叙述のフィクション性→2018/11/21

💓

5
慰安婦問題について、いつまで韓国は文句を言うのだとネットでたくさん批判されていたことに違和感があり読みました。本質主義批判についての理解と、「国民」という立場が持つ政治責任についての理解が深まりました。章では、Ⅲが一番印象的でした。複数の視点の事実。あとがきに書かれた民間裁判の様子には涙が出ました。2020/02/10

hatohebi

5
最も印象に残ったのは、戦争へ実際に行っていない戦後世代に行為の「罪」はないが、国民として「戦後日本国家に『戦争責任』を果たさせる政治的責任」があるという一節。「いつまで謝罪すればいいのか」という倦厭感は根強くあって首相談話にも反映しているように思う。だが筆者の求める「戦後責任」は生産的な議論に結びつけている。2015/08/25

ドント

3
/が入っているのが大きなポイントで、これは歴史修正主義について書いた本と言うよりも、歴史修正主義とそれへの批判の至らなさを狭くしかし技術者がネジを締めるようにきっちりと論じた本である。2015/01/15

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