出版社内容情報
世界的な歴史の負債を「清算」する動きに対し,修正主義の台頭もまたグローバルな現象である.冷戦終結後に突出した「民族」とナショナリズム-その激化する《記憶の戦争》に分け入って,歴史のなかでどう判断すべきかを考える.
内容説明
侵略戦争や植民地支配の記憶と証言が、「忘却の政治」に曝されている。いかにして歴史への責任を果たすのか。物語の抗争が激化する現在、いかに判断し、なににコミットメントするのか。戦争責任/戦後責任、植民地支配責任をめぐる現代日本の論争という「出来事」のただなかで、歴史の再審にむけた法の脱構築が、いま始まる。
目次
1 歴史と責任(「罪人の子孫扱いなどもうごめんだ」;「子々孫々まで…罪人の如く」;「本質主義的」民族観の罠;責任を認める側にも同じ罠が…;「戦後責任」を果たすことはポジティヴな行為 ほか)
2 歴史と物語(ネオナショナリズムと「国民の物語」;「歴史の物語論」はどう答えるのか;「国民の物語」も物語られる;物語りの「倫理性」とは? ほか)
3 歴史と判断(「物語」の抗争;「法的責任」の問題;「多様な物語がある」ではすまない;「弱者」にとって「闘い」とは? ほか)
4 基本文献案内
著者等紹介
高橋哲哉[タカハシテツヤ]
1956年生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得。専攻は哲学。現在、東京大学大学院総合文化研究科助教授。著書に、『逆光のロゴス―現代哲学のコンテクスト』(未来社、1992年)、『記憶のエチカ―戦争・哲学・アウシュヴィッツ』(岩波書店、1995年)、『デリダ―脱構築』(講談社、1998年)、『戦後責任論』(講談社、1999年)など。共著に、『断絶の世紀 証言の時代―戦争の記憶をめぐる対話』(岩波書店、2000年)、『私たちはどのような時代に生きているのか』(角川書店、2000年)など。共編に『(ショアー)の衝撃』(未来社、1995年)、『ナショナル・ヒストリーを超えて』(東京大学出版会、1998年)、『戦犯裁判と性暴力』(緑風出版、2000年)など
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