現代人類学の射程
人類学と脱植民地化

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000263788
  • NDC分類 389
  • Cコード C0036

出版社内容情報

現代人類学は脱植民地化の影響抜きには語れない.その流れに位置する先住民運動は,無視しえない「歴史的他者」からの呼びかけであり,それへの答えを導きだす作業こそ,いま人類学に求められている.

内容説明

六十年代の「エスニシティ」や、八十年代の「ポストモダニズム」「カリキュラム論争」「差異の政治学」などの隆盛も、脱植民地運動が西欧社会へ及ぼした「知の脱植民地化」ではなかったか。その流れに位置するグアテマラなど世界の先住民運動は、無視しえない「歴史的他者」からの呼びかけであり、それへの答えを導き出す作業こそ、いま人類学に求められている。

目次

回帰する過去と批判人類学への要請
第1部 歴史の語り直し(「ポストモダン人類学」を語り直す;フランツ・ボアズ―移民としての人類学メイキング;文化への閉ざされた道)
第2部 知識人と近代―リベラリズムと真正さの言説(沖縄発「土着コスモポリタニズム」の可能性;知識人への経路―真正さの言説との闘い)
第3部 過去から未来への経路―グアテマラ、そして日本(マヤ民族とグアテマラ多民族国家建設の理念;先住民性とポストコロニアル理論;脱植民地化におけるグアテマラと日本―構築主義と本質主義との対峙)

著者等紹介

太田好信[オオタヨシノブ]
1954年札幌市生まれ。1987年米国ミシガン大学大学院博士課程修了(Ph.D.取得)。九州大学大学院比較社会文化研究院教授。専門は文化人類学。沖縄県八重山地方、中米のベリーズ、ならびにグアテマラでフィールド調査
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感想・レビュー

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2
南米グアテマラにおける著者自身の調査、特に高等教育を受けた先住民である「マヤ知識人」と呼ばれる層の分析を核にして、国家やエスニシティを巡る現状や論点、課題などを一般向けに論じた文化人類学論集です。主な論点は以下の二つ。一つは、脱植民地化は現在進行中の過程であるということ。もう一つは、構築主義と本質主義の対立を乗り越えた先にこそ、多民族国家(つまりあらゆる国家)の未来を想定すべきということ。クリフォードを読んでいない私には、議論を咀嚼しきれなかった感もありますが、なかなか興味深い内容だと思います。2009/08/27

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